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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年4月 9日

「きぼう」のモックアップにて(出典:JAXA)

その1

「きぼう」の訓練がはじまりました。

前回の訓練から2年近くが経っているので、主にこれまでのリフレッシュ訓練が中心です。
初日の今日は、「きぼう」の基幹システムに関する復習と、通称流体ラックと呼ばれる実験用ラックに関する訓練を受けました。

各システムごとの重要事項のリストをインストラクターと一緒に復習していきます。
復習が済んだら、すぐにモックアップに移動して、実際にこの目で機器の配置を確認します。
このモックアップは、ヒューストンのNASAにある「きぼう」のモックアップよりも遥かに再現度が高いので、その中で訓練を受ける機会はとても貴重です。

「きぼう」の運用に関しては、クルーが操作する必要があるタスクはあまり多くありません。
そのほとんどが自動化もしくは、地上からコマンドを送ることによって実施可能だからです。

反対に、どうしてもクルーでなければ実施できない操作というのもあるので、それらを確認することが訓練の主眼になります。
特に、実験用のサンプルの交換はその代表例で、流体ラックの訓練では各種実験装置の模型を使用して、実際の交換手順の練習を行いました。
流体ラックといいつつ、流体実験だけではなくタンパク質の結晶生成実験装置など、現在3つの実験装置が1つのラックに収められています。


「きぼう」の運用訓練(出展:JAXA)

その2

今日の訓練は、きぼうのロボットアームに関する訓練と、きぼうの実験用の小装置に関する訓練などがありました。

きぼうのロボットアームは、船外プラットフォーム上の実験装置の取り付け、移設、取り外しなどに使われるロボットアームです。
また最近では、小型衛星の放出ミッションという新しい役割を担う活躍を見せています。
通称カナダアームと言われるISSのロボットアームと比べるとサイズは小さめで、その操作卓はきぼう内にあります。
基本的にきぼうのロボットアームの操作は、地上からの遠隔操作によって行われます。
きぼうから宇宙飛行士が操作することは通常ありません。
それでも、地上からの操作中にISSにイレギュラーが発生した場合などのごく一部のケースでは、宇宙飛行士自らが操作する可能性もわずかに残っています。
今日の訓練では、そういったケースを想定して、ロボットアームを安全な場所まで退避させるシナリオを手順書に沿って練習しました。

また実験用の小装置に関する訓練では、きぼう内の放射線量を測定する装置や、無重力状態が適切に維持されているかを測定する装置、小型の温度センサーなどについて学びました。

ISSで行う科学実験は、宇宙空間という環境の特殊性を利用するものがほとんどです。
そしてその特殊性の代表選手とも言えるのが、ISSが無重力状態で飛行していることです。
そのため、「適切な」無重力状態が維持されているかを、正確に測定してあげることが必要になってきます。
より厳密に言うと、実際には完全な無重力状態にすることは難しいので、ISSが飛んでいる間は重力と遠心力がほぼ釣り合った「微小重力状態」になっており、その「微小」というのが実験結果に影響を及ぼすほど大きくない、というのを測定してあげるのが目的なのです。
きぼうでは、加速度センサーを用いてISSに働く加速度を測定し、無重力状態が維持されているかの判断材料としています。

また多くの実験でサンプルを使用しますが、それらのサンプルがどのような環境に晒されたかも、実験結果を解析する上で非常に重要です。
そのための道具の1つとして、小型のセンサーがあります。
本当に小さくて、ボタン電池くらいの大きさです。
あらかじめセットされた間隔で温度を計測し、記録するようになっています。
そうして得られたデータは、パソコンに落として地上に転送することも可能ですし、センサーごと地上に持ち帰ることも可能です。

明日はさらにいくつかの実験用ラックについて学ぶ予定です。


(出展:JAXA)


 
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