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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年4月26日

SARJ(サージ)の位置(出典:JAXA)

その1

ISSから見たオーロラと、太陽電池パネルが回転する様子です。
昨日、この太陽電池パネルを回転させる装置に関する訓練を受けてきたので、それについて後で書きますね。


その2

先ほど投稿したビデオで、太陽電池パネルがグルグル回っているのがご覧いただけたかと思います。

グルグル回っている理由は、太陽からの光をパネルに垂直に受けられるように、ISSの飛行に合わせて常に太陽の方向を追いかけているからです。
(ビデオでは早回し撮影されているので、実際はもっとゆっくりしたスピードで回転しています)

その回転を可能にするのが、Solar Alpha Rotary Joint 通称SARJ(サージ)と呼ばれる、太陽電池パドル回転機構です。
1枚目の写真の黄色の矢印で示されている部分にサージがあります。
ISSは両翼に太陽電池パネルを広げた格好なので、サージは左右にそれぞれ1基ずつあって、サージの回転によって、その先の太陽電池パネル部分全体がグルグル回るようになっています。

昨日の午前中は、このサージに関する訓練がありました。
ジョンション宇宙センターにある、実物大の模型を使用しての訓練です(2枚目写真)。
サージを構成するそれぞれの部品とその働き、サージがパネルを回転させる仕組み、定期的なメンテナンス方法や部品が故障した場合の修理方法などについて学びました。

サージ自体は船外装置なので、メンテナンスや修理の際には、船外活動が必要になります。
太陽電池部はISSに対して、360度何回転でも回り続けることができるようになっていて、それを実現しているのはローラーのような、専門用語でベアリングと呼ばれる部品です。
そのベアリング部分が回転によって磨耗しないように、潤滑油を差してやる必要があります。
船外活動用の油差しのような道具の使い方も、学びました。
宇宙服の分厚いグローブでも使えるように、色々と工夫がなされています。

また、そのベアリング部分や、回転の動力になるギア部分が故障した場合には、それらの部品を船外活動で交換しなければなりません。
サージはISSの電力需要を支える最も重要な装置の1つなので、将来サージが故障するような事態になれば、緊急船外活動を実施することになるでしょう。

それだけ重要な装置ですから、非常に良くできたシステムになっています。
多くの部品が組み合わさって、大きなISSの太陽電池部全体を回すようにできている仕組みは、教わっていてとても楽しく、ワクワクしました。
1つ大きな疑問に残ったのは、サージよりも外側にある機器(バッテリーやコントローラーなど)の作動には、当然電力や通信を中央部とやり取りする必要がありますが、それらはどうやって伝達するのですかね。。。
普通のケーブルでは、サージの回転と共にねじれていってしまうので使用できないはずです。
サージが回転しても、安定して電力と通信を運べるような特殊な仕組みが必要なはずです。

それを可能にしている部品の名前は知っているのですが、まだその仕組みについては教わっていません。
近いうちに、その訓練もスケジュールされるはずなので今からとても楽しみです(^^)

それでは、皆さんどうぞ良い日曜日を♪


SARJ(サージ)のモックアップ(構造物の最下部についている装置)(出展:JAXA)


 
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