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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年3月24日

星出さんが訓練をオブザーブして下さり、貴重なアドバイスを頂くことが出来ました(出展:JAXA)

昨日のプールでの船外活動訓練は無事終わりました。
朝9時から潜って、午後3時まで。
6時間の間に予定されていた全ての目的を達成できたので、自分では満足のいく出来でした。
これが最後かと思うと、少し感慨深かったです。
訓練終了後には、インストラクターやダイバー、施設のスタッフの方々が簡単なケーキセレモニーを開いて下さいました。

船外活動訓練の1日は、ツールのセットアップから始まります。
宇宙服の胸元につける、MWS(Mini Work Station:ミニワークステーション)と呼ばれる器具に、テザーやゴミ袋、ワイヤー、電動ドライバーなどを取り付けていきます(写真2-3枚目参照ください)。
いくつかの制約を除いて、基本的には自分の好きな位置に取り付けることが出来るので、ここは宇宙飛行士の個性が出る部分でもあります。
みな、訓練を通じて色々なやり方を試しながら、少しずつ自分に合ったセットアップを築いていくのです。

私の場合、ほとんどはスタンダードなセットアップを踏襲しつつ、細かい部分をいくつかいじってあります。
それは、ゴミ袋の取り付け位置といった本当に細かい部分です。
スタンダードはゴミ袋を胸元に外側を向くように取り付けるのですが、私は内側を向くように取り付けます。

内側を向いていると、ゴミ袋に何かを収納するたびにいちいちMWSを少し開いてやって、ゴミ袋が胸元で開けるスペースを作ってやって、収納した後にまたMWSを元の位置に戻してやる必要があるので、少々手間が増えるというデメリットがあります。

しかし、ゴミ袋が内側を向いていることによるメリットもあります。
それは、MWSと宇宙服の間にゴミ袋があるので、そこに隙間が生じることです。
外側を向いていると、MWSは胸元にピッタリくっつくので、隙間はほとんど生じません。
隙間がある分、視線を落とすとその隙間から自分の足元を見ることが出来ますし、MWS上のツールを手に取る際にもはっきりと手元を見ることが出来ます。

私はこれまでの訓練で、外側向きと内側向きの両方を試してみて、内側向きの方がメリットが大きいと判断したので、以降はずっと内側を向かせています。
このように、宇宙飛行士1人1人が自分の体格ややり方にあったセットアップを行っています。

ミニワークステーションの他にも、ISS機器のスペアを運んだりするために使うバッグのセットアップも、朝イチに行います。
大中小という3タイプの大きさがあり、スペア品の大きさに応じてどのバッグを使うかが決まりますが、その他にもレンチなどの工具や電気コネクターのキャップを回収するための道具など、タスクに応じた様々なツールが入ります。
それら1つ1つのものは、宇宙空間に飛び出していかないように、テザーでバッグに結び付けておいてやる必要があります。

その取り付け方や、バッグの中の収納方法も、宇宙飛行士の個性が出るところで、工夫1つでタスクの実施が見違えるくらい容易になったりすることもあるので、一口に船外活動と言ってもとっても奥が深いのです。

「船外活動はアートだ」
とおっしゃる方がいるのもうなずけます。

最後の船外活動訓練についての記事でしたが、かなりマニアックな内容になってしまいましたね(;´∀`)


MWS(ミニワークステーション)のセットアップ前(出展:JAXA)
フル装備完了!(出展:JAXA)

MWSセットアップ後(出展:JAXA)
バッグの中も、しっかりと使い方を考えてセットアップしていきます(出展:JAXA)

ヘルメットライトの作動点検(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

(出展:JAXA)
インストラクタールームでは、複数のモニターで訓練を見守っています(出展:JAXA)

ケイト(画面右端)と協力して、IDAアダプターから取り外した耐熱カバーをバッグに収納しているところ(出展:JAXA)
(出展:JAXA)

訓練後に開いて下さったケーキセレモニーのケーキ(出展:JAXA)


 
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