このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年3月18日

(出展:JAXA)

今日は終日MRIデーでした。

MRIというのは、あのドーナツ型の装置で、その中に人が横たわった状態で入ると、人間の身体の断面図が見れるという医療機器です。
今日は合計4時間ほどあの中に入っていたので、これは一体どういう仕組みなのだろうと不思議に思い、Wikipediaで原理のところを調べようとしましたが、全く理解できず挫折しました。
考え出した方はすごいですね。

朝イチは昨日の続きの採血です。
今日は「たったの」14本でした。
そして48時間尿検査の最後の採取をして提出。

そのあとは栄養士の方々との面談があり、ISSで使用される予定の栄養管理アプリの使用方法について説明を受けました。
私たちは、全ての食事を記録するよう義務付けられています。
その中には、飲料水も含まれます。

アプリに自分が食べたものを入力すると、自動的にカロリーや塩分、ビタミンD量が計算され、1日の接種目標や摂りすぎなどが一目でグラフで分かるようになっていて、なかなか便利そうです。



その場で、前回と前々回の48時間蓄尿検査の結果から、自分の尿の平均カルシウム濃度や1日の量を教えてもらいました。
このカルシウム濃度が高くなると、尿再生装置の目詰まりを引き起こす原因になるので、もっと水分を取って尿の回数を増やすことで、カルシウム濃度を下げることができるとアドバイスも頂きました。

そのあとは近くの施設に移動して、MRI検査です。
検査項目は宇宙医学実験によって異なり、頭部だったり首のところだったり、ひざだったり。
寝転がった状態だけでなく、足の方を15度持ち上げた状態での検査や、座った状態での検査もありました。

1番の目的は、「Fluid Shifts(体液シフト)」と呼ばれる実験のデータ取りです。
これはNASAだけでなく、ロシアとも協力して研究しているテーマで、私が担当する宇宙実験の中でもかなり大掛かり、かつ費やす時間も多い実験です。

簡単に言ってしまうと、無重力状態によって私たちの体内の液体(血液など)が身体の上半身へ移動(シフト)することによる様々な症状・影響を、色々な側面から調べようというものです。
そうして得られた知見を、今後の長期滞在だけではなく将来のISSより先を目指す宇宙探査に生かしていこうという狙いです。

足を持ち上げた状態では、頭に血が昇るので、それと似たような状態を作り出すことができます。
それと、珍しかったのは座った状態でMRI検査を受けられる施設でした。
私は初めて見ましたが、一般的なものなんですかね。

今日はMRI検査のみでしたが、明日の午前中は4時間半かけて、「Fluid Shifts」実験のその他の基礎データ取得が行われることになっています。



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約