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2016年3月15日
1週間の始まりは歯科検診からです。
以前、歯の抜き方や詰め物の仕方を教えてもらった歯医者さんのところへ行って、打ち上げ前最後の歯科検診を受けてきました。
一通りクリーニングをしてもらった後、診察を受けて、無事打ち上げに向けて問題ないことを確認してもらいました。
よく受ける質問に、「虫歯があると宇宙飛行士にはなれませんか?」というものがありますが、しっかりと治療してあれば問題ありません。
現に私も何本も虫歯を治療していますが、それでどうこうというのはありません。
ですので安心して下さいね。
次にタブレットを使用したFine Motor Skillsの基礎データ取得を挟んで、今度はヨーロッパ宇宙機関ESAの実験「Straight Ahead」の2回目のデータ取得がありました。
写真は初回のものです。
過去の投稿はこちら。
大西宇宙飛行士Google+日記(2016年1月8日)
今回も、目隠しをされた状態で脳内で目の前に物が置かれているのをイメージして、近くに焦点を合わせたり、遠くに焦点を合わせたり、言われたとおりにこなしていきます。
目隠しをされているので、焦点を合わせるのも容易ではありません。
一応自分では合わせているつもりなのですが、実際のところはどうなんでしょう。
身体を傾けられて、それが何度くらい傾いていると感じるのか回答したりもするのですが、何しろ正解を教えてくれないので、自分の感覚がどれくらいずれているのかわかりません。
正解を知ってしまうと、次回からはそれに対して自分の感覚を修正するからなのでしょうが。
実験中は、外からの明かりが目に入らないように、写真のようなゴーグルを装着するのですが、それが落ちないようにかなりきつく取り付けられます。
30分近い実験が終わって、ゴーグルを外してみると、目の周りにくっきりとその跡が。
「ごめんね、そのラクーンみたいな跡は今日一日取れないよ」
と研究者のかたに言われ、はたと気付きました。
今日は午後から、NASA広報からのインタビュー撮影が予定されています。
自分の車に戻って、ルームミラーで確認すると、見事に跡がついています。
英語の辞書でラクーン(Raccoon)という単語を調べると、「アライグマ」のことなんですね。
・・・確かに、これではアライグマです。
その後に1時間半の宇宙実験の訓練がありましたが、それが終わっても跡は取れる気配がありません。
これはとても、撮影どころではありません(;・∀・)
急遽スケジューラーに連絡して、2週間後に再スケジュールしてもらいました。
1日の終わりは、こちらも実験のデータ取りです。
カナダの宇宙機関CSAによる、「MARROW(骨髄)」という名の実験です。
微小重力環境が、人間の骨髄やそこで造り出される血液にどのような悪影響を及ぼすかを調べるのが目的です。
またそれらの知見は、地上で寝たきりの状態に苦しむ方々にとっても役立つことが期待されています。
この実験はいくつかのデータが取得されますが、今日は外部の医療機関で腰のあたりのMRI検査を受けてきました。
30分強、MRIの中で横たわっていましたが、寝ていても良いと言われたのでぐっすり寝入ってしまい、途中、寝言を言ったような気がしてビクッと起きたのが恥ずかしかったですw
MRIから出された時に、検査技師の方が、
「Alright, nice job!!」
と言ってきたのですが、いくらホメ殺しの多いアメリカでも寝転がっていただけの私に対してNice jobはないでしょう。。。
ちなみにアメリカの訓練では、「Good job!」というのは、「まあ普通だね」くらいに受け取っておくべきだと私は思っています。
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