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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2015年3月 3日

新しい1週間が始まりました。

今日の午前中は、NASA宇宙飛行士室の月曜定例ミーティング、WinSCATの紹介、ロシア語、午後はISSのシステム訓練、ロボットアーム訓練の自習、英語の授業がありました。

WinSCAT(The Space Flight Cognitive Assessment Tool for Windows)というのは、コンピュータプログラムを使用した判断力テストです。
簡単な計算問題や絵合わせ、記憶力を試す問題に短時間で解答していくいわゆる知能テストのようなものを想像して頂けると良いかと。

このツールは実際にISSでも使用されているのですが、何のために使用するかというと、自分の今の判断能力を客観的に分析するために使用します。

ミッション中、月に一度、定期的にこのテストを受けることによって自分のベースライン(基準となる成績)がわかります。
そして、判断力に何らかの影響を及ぼすような出来事があった場合、例えば頭を怪我したとき、空気汚染が発生したとき、薬の副作用が予想されるとき、疲労が溜まっているときなどに、このテストを受けます。
その結果を自分のベースラインと比較することによって、判断力の変化を客観的に知ることができるというわけです。

今日はそれに関するブリーフィングを受け、早速1回目のテストを受けました。
問題自体はそれほど難しくないのですが、高得点を出すために短時間で解答しようとすると、どうしてもミスが出てきてしまいます。
結果は正確性と解答に要した時間で評価されるので、遅すぎてもミスが多すぎても、高得点を出すことはできません。
よく考えられているなと思いました。

フライト前に6回このテストを受けるのですが、最初の3回はテストに慣れることが目的で、ベースラインにはカウントされません。
残りの3回のテスト結果で、自分の最初のベースラインが決まるそうです。
そしてミッション中のテストの結果で、逐次ベースラインがアップデートされていきます。

判断力というのは、自分で冷静に評価するのは難しいと思います。
なのでこういった客観的に分析するツールがあるというのは、心強いですね。
そして、その結果を真摯に受け止めるのはとても重要な気がします。
せっかくこういうツールを使用しても、悪い結果が出た時に
「なーに、ちょっと疲れていて調子が悪かっただけさ」
と流してしまえば、宝の持ちぐされですもんね。



 
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