このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。
<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。
2016年5月 7日
今日は手動ドッキング訓練と、手動降下訓練、それから来週火曜のシミュレーション訓練の事前準備がありました。
手動ドッキングの方は、新型機の特性には随分慣れたと思います。
でも、その中でも難しいモードというのはやはりあります。
厄介なのは、カップリング(Coupling)という相互作用です。
基本的に宇宙船は、重心位置に近くなるような、もしくは重心位置に対して対称になるような位置にスラスタ―(エンジン)を配置します。
その方がより効率的に推力を利用できるからです。
ある所望の動きをしたいとき、理想を言えば必要なスラスタ―を噴いた時に、その動きだけが得られれば良いのですが、実際にはそう上手くはいきません。
カップリングによって、所望の動きに加えて、不要な動きまで宇宙船に加わることが多々あります。
一例を挙げると、宇宙船の機首を下げたいとき、後方上部についているスラスターを噴くとします。
その結果、宇宙船には頭を下げようとする力と一緒に、前へ押し出そうとする力が働きます。
これがカップリングです。
カップリングが極力小さくなるようにスラスタ―は配置されていますが、それでも限界があります。
先日から、デジタル制御ループとアナログ制御ループという話をしてきていますが、デジタル制御ループを使った手動操縦では、メインコンピューターが自動的にこのカップリングを打ち消すように別のスラスタ―を噴いてくれるようになっています。
対して、アナログ制御ループではそのような機能はありません。
必然的に、操縦者が自分でそのカップリングを打ち消すような操作を適宜加えてやることになるので、アナログ制御ループでの操縦の方が格段に難しいのです。
これ以上はマニアック過ぎるので説明を省きますが、加えてドッキングするポート(場所)によっても難易度に差が出てきます。
今日の訓練では、アナログ制御ループで高難易度のドッキングポートにドッキングさせるモードで、調子が今一つでした。
1つ1つの操作が大きくて、このカップリングへの対処が後手後手になっていたかも。
次回に向けて、しっかりとイメージを修正したいと思います。
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約 |