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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第500号

2012年9月25日

今週の国際宇宙ステーション(ISS)と星出宇宙飛行士

最初のISS構成要素打上げから5058日経過しました

第33次長期滞在クルー

サニータ・ウィリアムズ(コマンダー、NASA)、ユーリ・マレンチェンコ(ロシア)、星出彰彦(JAXA)宇宙飛行士のISS滞在は70日経過しました。

星出宇宙飛行士は小型衛星放出技術実証ミッションの準備作業などを実施

「きぼう」のエアロックに格納されるMPEPと星出宇宙飛行士(8月21日撮影)(出典:JAXA/NASA)

「きぼう」のエアロックに格納されるMPEPと星出宇宙飛行士(8月21日撮影)(出典:JAXA/NASA)

星出宇宙飛行士ら第33次長期滞在クルーは、科学実験やメンテナンス作業のほか、9月26日に予定されている欧州補給機3号機(Automated Transfer Vehicle 3: ATV3)「エドアルド・アマルディ」の分離や、10月8日の打上げを目標としているドラゴン補給船運用1号機(SpX-1)の到着に向けた準備作業など、3名体制での国際宇宙ステーション(ISS)運用に忙しい日々を過ごしました。

9月21日、星出宇宙飛行士は、小型衛星放出技術実証ミッションに向けた準備として、「きぼう」のエアロックの移動テーブルに設置された親アーム先端取付型実験プラットフォーム(Multi-Purpose Experiment Platform: MPEP)に小型衛星放出機構(Small Satellite Orbital Deployer: SSOD)を取り付け、機能確認のための準備作業を行いました。

地上の運用管制チームによる機能確認終了後、星出宇宙飛行士はSSODの固定カバーの取外しや断熱カバーの設置などを行い、MPEPを再びエアロック内部に格納しました。小型衛星放出技術実証ミッションの現在の計画では、9月28日午前0時頃から小型衛星の放出を開始する予定です。

そのほか、星出宇宙飛行士は、ATV3の分離に向けて与圧部内にISSの廃棄品を積み込む作業や、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)によるドラゴン補給船運用1号機の把持と係留に向けた訓練などを引き続き行いました。



【Pick Up】「きぼう」からの小型衛星放出、9月28日午前0時頃から開始予定!
「きぼう」からの小型衛星放出イメージ(出典:JAXA)

「きぼう」からの小型衛星放出イメージ(出典:JAXA)

9月27日から28日にかけて、いよいよ小型衛星放出技術実証ミッションを行います。今回のミッションでは、小型衛星放出機構に搭載した5機の小型衛星をエアロックを経由して船外に搬出し、「きぼう」のロボットアームにより軌道に投入する技術の実証を行うとともに、小型衛星放出ミッションの運用手順の確立を図ります。

小型衛星の放出は2回に分けて行い、1回目で「RAIKO」・「WE WISH」の2機を放出し、2回目で「FITSAT-1」・「F-1」・「TechEdSat」の3機を放出します。なお、1回目は軌道上の星出宇宙飛行士、2回目は地上の「きぼう」運用管制室からの操作で放出する計画です。

ミッションの模様はインターネットなどでライブ中継を行う予定です。放映時間などの詳細は随時ホームページに最新情報として掲載しますので、ぜひご覧ください。

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から1573日経過しました

Microbe実験のサンプル採取を実施、MCE搭載装置の動作確認継続

「きぼう」日本実験棟船内実験室では、9月19日から20日にかけて、「国際宇宙ステーション内における微生物動態に関する研究」(Microbe)実験のサンプル採取を、星出宇宙飛行士が行いました。この実験は、国際宇宙ステーション(ISS)に住みついている様々な微生物がクルーや機器に与える影響を調べることを目的としています。

「きぼう」船外実験プラットフォームでは、ポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載した「地球超高層大気撮像観測」(IMAP)「スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ」(GLIMS)の装置の動作確認を引き続き行いました。

同じくMCEに搭載した「宇宙インフレータブル構造の宇宙実証」(SIMPLE)実験装置の材料実験パネル(Inflatable Material Experimental Panel: IMP)において、8月24日、世界で初めて形状記憶ポリマの宇宙曝露環境における伸展(形状回復)実験に成功しました。

形状記憶ポリマは、高分子材料のガラス転移現象を利用した形状記憶材料で、ガラス転移点以上の温度であらかじめ記憶させた形状に回復する機能材料です。SIMPLE実験では、炭素繊維織物で強化した複合材料形態で搭載しており、表面状態を変えた2種類の材料を用い、伸展(形状回復)に至りました。

インフォメーション

「ふわっと'92から20周年記念シンポジウム」開催、参加者募集中!

ふわっと'92(STS-47ミッション)時の毛利宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

ふわっと'92(STS-47ミッション)時の毛利宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

日本の有人宇宙飛行の始まりとなった毛利衛宇宙飛行士の初飛行(1992年9月12日)から20年の節目を記念し、シンポジウムを開催します。「日本の宇宙飛行士が語る20年の歩みと今後の展望」をメインテーマにしたPART1を10月11日(木)に、「有人宇宙開発の現場」をメインテーマにしたPART2を10月14日(日)に開催します。

PART1では、毛利宇宙飛行士と一緒に今までの20年を振り返るとともに、向井、若田宇宙飛行士らも交え、今後の展望についてパネルディスカッションを行います。PART2では、宇宙飛行士の選抜方法や訓練の紹介をするとともに、それらを経験しているJAXA宇宙飛行士の話も交えながら講演を行います。

参加は無料ですが事前申し込みが必要です。詳細はホームページをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしています。

10月13日(土)、筑波宇宙センター「宇宙の日」特別公開を開催!

船外活動訓練を行う若田宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

船外活動訓練を行う若田宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

今年も「宇宙の日」筑波宇宙センター特別公開を10月13日(土)に開催します。当日は、日本に帰国中の若田宇宙飛行士が「宇宙講演会」に登壇します。若田宇宙飛行士に質問するチャンスもありますので、ぜひご参加ください。

そのほか、アニメ「宇宙兄弟」クイズラリー、宇宙飛行士訓練施設公開、宇宙医学生物学研究の紹介、高校生・大学生を対象としたJAXA就職なんでも相談会など、盛りだくさんのイベントを用意して皆様のご来場をお待ちしています。ぜひ、ご家族やお友達と一緒にお越しください。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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