今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から1686日経過しました
マランゴニ対流実験やHicari実験の準備作業、MCEの運用などを継続
「きぼう」日本実験棟船内実験室では、流体実験ラックの流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)を使用して、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(Marangoni Exp/MEIS)実験の第5シリーズを継続しています。
今回の実験では、直径5cmの液柱を用い、臨界点から数倍大きい高マランゴニ数条件までの対流遷移過程の観察や、様々な条件下での粒子集合構造(Particle Accumulation Structure: PAS)の発生の確認などを行っています。
勾配炉実験ラックの温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)では、「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究」(Hicari)実験の準備作業を行っています。この作業は2月3日まで実施する計画です。
「きぼう」船外実験プラットフォームでは、ポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載したミッション機器による実験運用を継続しています。
MCEでは、技術実証を目的とした「宇宙インフレータブル構造の宇宙実証」(SIMPLE)、「EVA支援ロボットの実証実験」(REX-J)、「船外実験プラットフォーム用民生品ハイビジョンビデオカメラシステム」(COTS HDTV-EF)と、地球観測を目的とした「地球超高層大気撮像観測」(IMAP)と「スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ」(GLIMS)の5種類のミッションを行っています。
「きぼう」船外実験プラットフォームでは、そのほか、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)の後期運用が続けられています。
【Pick Up】
国際宇宙ステーション「きぼう」利用成果シンポジウム(第4回)の内容を公開
2012年11月5日にJAXA主催で行われた「国際宇宙ステーション『きぼう』利用成果シンポジウム(第4回)~宇宙と地上の暮らしに役立つ『宇宙医学』~」での講演内容をまとめたページを公開しました。
「宇宙実験室のおもしろさ」や「骨量減少対策の成果と意義」など、向井宇宙飛行士ら登壇者による講演の概要を要約記事として読めるほか、配信協力会社による録画映像の視聴、配布されたプログラムやパンフレットをPDFデータでダウンロードできます。ぜひご覧ください。