ISS・きぼうウィークリーニュース第334号
2009年3月10日
スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119)の準備状況
NASAはディスカバリー号の打上げ日を3月12日に正式決定
KSCに到着した若田宇宙飛行士らSTS-119クルー(提供:NASA)
打上げに備えKSCに到着した若田宇宙飛行士(提供:NASA)
NASAは、米国時間3月6日に飛行準備審査会(Flight Readiness Review: FRR)を開催し、若田宇宙飛行士の搭乗するスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119)の打上げを、3月12日午前10時20分(米国東部夏時間3月11日午後9時20分)に行うことを正式に決定しました。
STS-119クルーは、打上げに向けて3月9日にKSCへ到着しました。到着後の記者会見で、若田宇宙飛行士は、「国際宇宙ステーションと「きぼう」日本実験棟を活用し、有人宇宙活動の素晴らしさを多くの皆さんにお伝えしたい」とISS長期滞在に向けた意気込みを語り、「準備は万全です。では、行ってきます」と頼もしい挨拶で記者会見を締めくくりました。また、同日午前8時からは、打上げに向けたカウントダウンが開始されました。
STS-119ミッションの最新情報や詳細は以下のページをご覧ください。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から278日経過しました
「きぼう」で行われた科学実験「氷結晶成長実験」が順調に終了しました
「きぼう」日本実験棟では、2008年12月から約3ヵ月にわたり行われていた「氷結晶成長におけるパターン形成(Ice Crystal)」の実験が終了しました。
実験では、結晶の形状や成長速度、結晶周辺の局所的な温度変化を詳細に観測し、多くのデータを取得しました。今後、実験データの分析を進め、実験で得られた氷の結晶成長過程についての貴重な知見や、金属など他の多くの物質の結晶成長の仕組みを理解することにもつながる様々な成果の発表を行なう予定です。
STS-119ミッション中には両生類の細胞を使用したライフサイエンス実験を実施予定
STS-119ミッション中には、ライフサイエンス実験「両生類培養細胞による細胞分化と形態形成の調節」(Dome Gene)を行う予定です。この実験の軌道上における作業には若田宇宙飛行士もたずさわります。
この実験は、アフリカツメガエルの腎臓由来細胞を微小重力環境で培養し、ドーム状の構造を形成する過程を詳しく調べることで、細胞の分化と形態形成に重力が与える影響を解き明かすことを目的としています。宇宙で人が暮らし、世代交代が行われる時代に向けて、生命の発生・分化・形態形成が正常に起こるか、そしてそれらと微小重力との関係について、貴重な知見や成果が得られることが期待されます。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3763日経過しました
クルーはSTS-119ミッションの準備などを実施
ロシアの船外活動に向けた作業を行うロンチャコフ宇宙飛行士(提供:NASA)
第18次長期滞在クルーのISS滞在は、マイケル・フィンク、ユーリ・ロンチャコフ両宇宙飛行士は147日、サンドラ・マグナス宇宙飛行士は114日が経過しました。
クルーは、STS-119ミッションで予定されている船外活動に向けて、米国の宇宙服の確認を行いました。また、3月11日に行われる予定のロシアの船外活動に向けて、作業手順の確認やロシアのオーラン宇宙服の気密点検、「ピアース」(ロシアのドッキング室)内での手順の確認などを行いました。
ロシアの船外活動は3月11日午前1時20分(米国東部夏時間3月10日午後0時20分)から開始される予定です。
インフォメーション
ISS・きぼうウィークリーニュース休刊のお知らせ
ISS・きぼうウィークリーニュースは、STS-119ミッション中(3月17日、3月24日)は休刊いたします。