今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から124日経過しました
マランゴニ対流実験順調、実験最大長の液柱形成に成功
長さ60mmの液柱の様子(横方向から撮影)(クA輅AXA/諏訪東京理科大学)
液滴内のマランゴニ対流実験の様子(横方向から撮影)(クA輅AXA/諏訪東京理科大学)
「きぼう」日本実験棟では、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:諏訪東京理科大学 河村洋教授)の実験が順調に行われています。この実験は、10月中に第1シリーズが終了し、その後、平成21年5月から第2シリーズが開始される予定です。
9月27日13時56分頃、河村教授とJAXA実験運用チームは、この実験での最大長(60mm)の液柱形成に成功し、実験データを取得しました。60mmの液柱形成は地上では実現できないもので、その詳細かつ鮮明なデータが世界で初めて得られました。この結果により、液柱内マランゴニ対流現象の解明において、多くの新しい科学的知見と成果を得ることが期待されます。
なお、実験データの取得後、液柱が分離して液滴となったことが観測されたため、あらかじめ想定されていた手順どおりに、液滴内に発生するマランゴニ対流の実験データ取得を行いました。その後、液柱形状への回復を行い、実験を継続しています。液柱の分離の主な原因は、長期間の実験により液柱を保持するディスクの外縁にシリコーンオイルが少しずつ付着し、液柱の保持能力が低下したためと推定されます。
10月中までは短い液柱での実験を継続し、その後、実験セル内部の清掃を行い、次のシリーズに向けた準備を行う予定です。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3609日経過しました
ISS、地上とも長期滞在クルーの交代に向けた準備が進む
打上げに向けた準備が進む17S(クA輦.P.Korolev RSC Energia)
第17次長期滞在クルーのISS滞在は、セルゲイ・ヴォルコフ、オレッグ・コノネンコ両宇宙飛行士は180日、グレゴリー・シャミトフ宇宙飛行士は126日経過しました。
クルーは、長期滞在クルーの交代に向けた準備や、冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)と無重量保管ラック(Zero-g Stowage Rack: ZSR)を「きぼう」船内実験室に移設する作業などを行いました。
10月4日、ソユーズ宇宙船(17S)のドッキングに向けて、プログレス補給船(30P)によるISSのリブースト(軌道上昇)が行われました。第18次長期滞在クルーを乗せた17Sは、10月12日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、10月14日にISSへドッキングする予定です。
トピックス
STS-127クルーが船外パレットと衛星間通信システム曝露系サブシステムを確認
船外パレットのCEITの様子(提供:NASA)
米国時間9月30日から10月1日にかけて、 NASAケネディ宇宙センター(KSC)の宇宙ステーション整備施設(Space Station Processing Facility: SSPF)で、STS-127(2J/A)クルーによる「きぼう」船外パレットと衛星間通信システム曝露系サブシステムの機器確認作業(Crew Equipment Interface Test: CEIT)が行われました。
軌道上で作業を担当するクルーは、機器の収納状態の確認や作業の模擬などを行い、実際の作業におけるイメージを確認しました。
スペースシャトル・アトランティス号(STS-125)の打上げ延期について
ハッブル宇宙望遠鏡に故障発生、アトランティス号の打上げは延期
米国時間10月12日に予定されていた、ハッブル宇宙望遠鏡を修理するスペースシャトル・アトランティス号(STS-125ミッション)の打上げは、ハッブル宇宙望遠鏡の故障の影響により延期となりました。アトランティス号は、米国時間10月20日に、KSCの39A射点からスペースシャトル組立棟(Vehicle Assembly Building: VAB)へ戻る予定です。