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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第377号

2010年3月 9日

STS-131ミッションの準備状況

ディスカバリー号が射点に移動、STS-131クルーはTCDTを完了

射点に到着したディスカバリー号(提供:NASA)

射点に到着したディスカバリー号(提供:NASA)

TCDTにてM-113輸送車の走行訓練を終えたSTS-131クルー(提供:NASA)

TCDTにてM-113輸送車の走行訓練を終えたSTS-131クルー(提供:NASA)

射点からの緊急避難訓練の手順を確認する山崎宇宙飛行士(提供:NASA)

射点からの緊急避難訓練の手順を確認する山崎宇宙飛行士(提供:NASA)

NASAケネディ宇宙センター(KSC)では、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-131ミッション)の打上げに向けた準備が進められています。

米国時間3月3日、ディスカバリー号はスペースシャトル組立棟(Vehicle Assembly Building: VAB)から39A射点へと移動しました。今後、ペイロードベイ(貨物室)への「レオナルド」(多目的補給モジュール1)の搭載など、打上げに向けた最終準備が行われます。

山崎宇宙飛行士らSTS-131クルーは、同3月2日から5日にかけて、KSCで行われたターミナル・カウントダウン・デモンストレーション・テスト(Terminal Countdown Demonstration Test: TCDT)に参加しました。

TCDTでは、M-113輸送車の走行訓練や射点からの緊急避難訓練のほか、最終日には、打上げ時に着用する与圧服(オレンジスーツ)を着てディスカバリー号に搭乗し、打上げ直前までのカウントダウン作業を模擬する訓練が行われました。また、TCDTの途中、射点前にて記者との質疑応答が行われ、山崎宇宙飛行士は「準備万端で、いい仕事ができるよう頑張りたい」と、打上げに向けた意気込みを語りました。

STS-131ミッションでは、補給物資や実験ラックなどをレオナルドに搭載してISSへ運搬します。ミッション期間中には3回の船外活動が予定され、ISS船外のアンモニアタンク(Ammonia Tank Assembly: ATA)の交換や、ISSの姿勢変化を検出するレートジャイロ・アセンブリ(Rate Gyro Assembly: RGA)の交換などが行われます。また、STS-131クルーの山崎宇宙飛行士が、ISS長期滞在クルーの野口宇宙飛行士と共同作業を行います。ISSにJAXAの宇宙飛行士が2名滞在するのは初めてのことになります。

ディスカバリー号は同4月5日以降に打ち上げられる予定です。

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から642日経過しました

ナノスケルトン実験は順調に進行中、環境・エネルギー問題への貢献が期待

きぼう」日本実験棟船内実験室では、環境やエネルギー産業への貢献が期待される高機能素材開発を目指したナノスケルトン実験(NANOSKELETON1)が順調に進められ、3月5日、1回目の実験試料サンプルの取出しが行われました。実験は3月12日まで行われる予定です。

この実験は、多孔質で骨格自体が高い機能性を有する構造体(ナノスケルトン)を微小重力を利用して作製する実験で、細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)を利用して行います。実験試料サンプル(2つの溶液)を混合させた後、CBEF内で温度を一定に保ち、酸化チタン結晶を作成します。これがナノスケルトン材料の基礎となります。

船内実験室ではそのほか、画期的な医薬品開発への貢献が期待される「タンパク質結晶生成実験」(JAXA PCG)が順調に進められています。

また、「きぼう」船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)および超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)の観測運用が続けられています。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから4127日経過しました

野口宇宙飛行士は「きぼう」ロボットアーム関連作業や軌道上訓練などを実施

映像取得の様子(©JAXA)

映像取得の様子(©JAXA)

第22次長期滞在クルーのISS滞在は、ジェフリー・ウィリアムズ、マキシム・スライエフ両宇宙飛行士は158日、オレッグ・コトフ、野口聡一、ティモシー・クリーマー宇宙飛行士は77日が経過しました。

3月2日、野口宇宙飛行士は、「きぼう」ロボットアームの子アームを親アームに取り付ける作業に向けた訓練を行いました。子アームを「きぼう」のエアロックからISS船外に出し、親アームに取り付ける作業は、3月10日から11日にかけて行われる予定です。

3月3日、野口宇宙飛行士らISSクルーは、ISSでの緊急事態を想定した軌道上訓練を実施しました。訓練には、NASA、ロシア連邦宇宙局(FSA)、欧州宇宙機関(ESA)、JAXAの4箇所全ての管制室が参加し、クルー間の連携や地上との交信、緊急事態に対応するための器具や装置の使い方などを確認しました。

3月6日、野口宇宙飛行士は、教育現場で活用される教材を目指した映像取得プログラム(おもしろ宇宙実験)を行いました。映像はサイトでご覧になれます。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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