教育現場での活用を目指した映像取得(おもしろ宇宙実験)
概要
3月6日に、教育現場で活用される教材を目指した映像取得プログラム(おもしろ宇宙実験)を野口宇宙飛行士が実施しました。
下記テーマの内、1~3は、「きぼう」日本実験棟の衛星間通信システム(Inter-orbit Communication System: ICS)により、リアルタイムで筑波宇宙センター(TKSC)へダウンリンクされた映像です。
【実施テーマ】
- いろいろな物の重心を調べる実験
- ハンマーなどを空中に浮かして回すと重心を中心に回転するようになります。今回は、教材用に重心の位置がわかりやすいように赤いテープでハンマーに印を入れる工夫をしました。
- 回転させたもの:ハンマー、お茶バッグ、缶切り
- 運動量保存の法則
- 同じ質量の物体(今回使用したのは、ガムテープ)ふたつを互いに衝突させて運動量の保存を記録しました。
- 1回目は、ひとつのテープは空中に停止させて、それに向けてもうひとつのテープをぶつけました。同じ質量なので、停止していたテープに衝突したテープの全運動量が保存され、停止したテープが動きだします。また、衝突したテープは速度が遅くなります。
- 2回目は、左右からテープを同じ速度で直進方向にぶつけました。同じ質量で同じ速度のため、テープは同じ速度で反発しました。
- 3回目は、ひとつのテープをゆっくり動かして、その後ろからもうひとつのテープを早い速度でぶつけました。ゆっくり動いていた前方のテープに早い速度のテープの運動量が保存され、速度が増しました。
- 作用反作用
- 水バッグ(約45L)に長い紐をつけて、空中に停止させて、同様に空中に野口飛行士がバッグを引き寄せると、バッグが野口飛行士に引き寄せられるだけでなく、野口飛行士もバッグに引き寄せられ動いています。
- 次に、紐をハンドレール(手すり)につけて野口さんが引っ張ると、野口さん自身がハンドレールに引き寄せられました。
- さまざまな姿勢など
- 無重力環境で一番楽だといわれている姿勢や正座、両足立ち、片足立ちに挑戦しました。無重力では、足をひっかけるなどして体のバランスを保つ工夫をしないとこれらの姿勢は難しいものとなります。
- 回転(角運動量保存の法則)
- 手を閉じたまま回転して手を広げると回転の速度が落ちます。両手両足や片手片足を広げることにより速度が変わっています。
- 前転、バク転にも挑戦しました。
- 水バックを回転する実験も野口宇宙飛行士のオリジナルアイデアで実施しました。
時間
19分34秒
撮影日
2010/03/06
出典
JAXA
キーワード
野口宇宙飛行士ISS長期滞在