今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から89日経過しました
マランゴニ対流実験は順調に進行中
「きぼう」日本実験棟では、先週に引き続き、「きぼう」での最初の科学実験である「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:諏訪東京理科大学 河村洋教授)が行われています。
マランゴニ対流の様子は、液柱両端の温度差が大きくなるに従い、最初の安定した流れ(定常流)から周期的に変化する流れ(振動流)に変わり、さらにカオスとよばれる状態から、最後には完全に乱れた状態(乱流)へと変化していきます。
実験では、船内実験室にある流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)内で形成した液柱の両端に温度差を発生させ、その温度差を変化させることで、マランゴニ対流の様子がどのように変化するかを観察しました。また、温度差と流れの変化の関係をつきとめるため、FPEFに搭載された観測装置を用いて、流れの速さや方向が変化していく様子の画像や、液柱表面の温度分布などのデータを収集しました。
河村教授のインタビューや、マランゴニ対流実験のやさしい解説などを紹介していますのでご覧ください。
タンパク質結晶生成装置の構成変更やクリーンベンチの機能確認を実施
8月27日から28日にかけて、流体実験ラックのタンパク質結晶生成装置(Protein Crystallization Research Facility: PCRF)を、打上げ時の構成から運用に向けた構成に変更する作業や、細胞実験ラックのクリーンベンチ(Clean Bench: CB)の機能確認が行われました。
CBの機能確認時に、CBの電源が落ちたため、作業を中断しましたが、再起動したところ、正常な状態に戻りました。