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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第354号

2009年9月15日

トピックス

HTV技術実証機の打上げ成功、ISSへの結合に向けて飛行中

HTV技術実証機を搭載したH-IIBロケットの打上げ

HTV技術実証機を搭載したH-IIBロケットの打上げ

9月11日午前2時01分、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)技術実証機(初号機)を搭載したH-IIBロケットは、種子島宇宙センターの第2発射場(Launch Pad 2: LP2)から打ち上げられました。H-IIBロケットは、打上げ約15分後に第2段ロケットとHTV技術実証機の分離に成功し、HTV技術実証機を予定の軌道に投入しました。

HTV技術実証機は、NASAの追跡データ中継衛星(Tracking and Data Relay Satellite: TDRS)との通信を確立した後、筑波宇宙センター(TKSC)にあるHTV運用管制室との通信を開始しました。その後、同日午前2時42分に二軸姿勢の確立が、同日午前3時16分に三軸姿勢の確立が確認されました。姿勢の確立後には、各サブシステムの機能確認が行われました。

同日午前9時33分、HTV技術実証機は、国際宇宙ステーション(ISS)への結合に向けた最初のランデブ用軌道制御を行い、同日午前11時49分に初期高度調整軌道に到達しました。9月12日には運用検証試験が行われ、ISSへの結合に向けたHTV技術実証機の機能に問題のないことが確認されました。

HTV技術実証機は、今後、軌道制御を繰り返して徐々にISSへ接近するランデブ飛行を行い、9月18日にISSクルーの操作するISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)に把持されてISSへ結合される予定です。

ISS搭乗宇宙飛行士候補者の追加採用決定

宇宙飛行士候補者に採用された金井氏

宇宙飛行士候補者に採用された金井氏

JAXAは、2015年までの国際宇宙ステーション(ISS)の運用・利用に対応するため、ISSに搭乗する宇宙飛行士候補者の選抜を行い、2009年4月に2名の宇宙飛行士候補者を採用しました。そして今回、補欠としていた1名を、宇宙飛行士候補者として正式に採用することを決定しました。

9月8日に行われた宇宙飛行士候補者発表記者会見で、金井宣茂宇宙飛行士候補者は、「宇宙医学の研究分野で貢献したい」と今後に向けた抱負を語りました。

金井宇宙飛行士候補者は、今後、油井、大西宇宙飛行士候補者とともに、2年程度NASAの宇宙飛行士候補者訓練を受け、宇宙飛行士に必要となる語学や宇宙工学の知識などを学びます。候補者訓練の修了後、これらの訓練結果の評価により、宇宙飛行士に認定されます。

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から467日経過しました

「きぼう」日本実験棟での初めての植物長期生育実験を開始

「きぼう」日本実験棟では、9月10日から「微小重力環境における高等植物の生活環」(代表研究者:神阪盛一郎富山大学客員教授、大阪市立大学名誉教授)が開始されました。

この実験では、シロイヌナズナという植物を用いて、植物が種子から発芽し、次の世代の種子がとれるまでの一連のサイクル(ライフサイクル)に対する重力の影響を調べます。

宇宙で出来た種子の発芽率やその後の成長の様子の観察、宇宙で成長した植物体の細胞壁の強度の分析や細胞壁構築にかかわる遺伝子の働きの様子の解析を行い、植物のライフサイクルに及ぼす重力の役割を研究します。また、将来の宇宙での植物生産に備えた、基礎的なデータを蓄積する研究となります。この実験は、11月中旬まで実施する予定です。

「きぼう」ではそのほか、タンパク質結晶生成宇宙実験が順調に進められています。

STS-128ミッションの結果

STS-128ミッションは終了、次のSTS-129ミッションへ

ディスカバリー号の着陸(提供:NASA)

ディスカバリー号の着陸(提供:NASA)

国際宇宙ステーション(ISS)への物資の補給を終えたスペースシャトル・ディスカバリー号は、9月12日午前9時53分に、エドワーズ空軍基地内のNASAドライデン飛行研究センター(DFRC)に着陸し、13日と20時間54分にわたるミッションを終えました。

着陸を予定していたNASAケネディ宇宙センター(KSC)の天候不良のため、当初の予定から着陸を1日延期し、最終的にエドワーズ空軍基地への着陸となりました。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから3952日経過しました

HTV技術実証機の到着、34Pの分離に向けた準備などを実施

第20次長期滞在クルーのISS滞在は、ゲナディ・パダルカ、マイケル・バラット両宇宙飛行士は171日、フランク・デヴィン、ロバート・サースク、ロマン・ロマネンコ宇宙飛行士は110日、ニコール・ストット宇宙飛行士は15日が経過しました。

クルーは、HTV技術実証機の到着に向けた準備や、プログレス補給船(34P)の分離に向けた物品の整理などに忙しい日々を過ごしました。

HTV技術実証機は9月18日にISSへ到着する予定です。また、34Pは米国時間9月21日にISSから分離する予定です。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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