今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から1315日経過しました
2次元ナノテンプレート実験などを引き続き実施
「きぼう」日本実験棟(2011年5月撮影)(出典:JAXA/NASA)
2次元ナノテンプレート実験(再実験)の後半を引き続き行っています。この実験では、宇宙の微小重力環境でナノサイズの物質をプレート(基板)の上に規則的に配列、成長させ、縞状の凹凸でマスクパターンを作ります。今回の実験は2012年3月中旬頃まで実施する予定です。
そのほか、「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用が続けられています。
【Mini Column】
日本人宇宙飛行士がいない間、「きぼう」の運用はどうなっているの?
「きぼう」日本実験棟は、筑波宇宙センター(TKSC)の「きぼう」運用管制室にて、「きぼう」運用管制チーム(JAXA Flight Control Team: JFCT)により3交代24時間体制で運用され、国際宇宙ステーション(ISS)に日本人宇宙飛行士がいない間も、さまざまな実験が行われています。
「きぼう」の運用は、基本的に地上からの遠隔操作で実施しますが、実験用ユニットの交換や実験用試料の出し入れなど、ISS船内で行う作業がある場合は、宇宙飛行士に作業を依頼します。日本人宇宙飛行士がISSにいない間、これらの作業は米国やロシアなど、国際パートナー(IP)の宇宙飛行士が対応します。
現在、ISS長期滞在を行うソユーズ宇宙船搭乗宇宙飛行士3名のうち、1名は必ず「きぼう」のスペシャリストとして、「きぼう」での実験ができるよう、訓練を積んでいます。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4800日経過しました
第30次長期滞在クルー
ダニエル・バーバンク(コマンダー、NASA)、アントン・シュカプレロフ(ロシア)、アナトーリ・イヴァニシン(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は56日、オレッグ・コノネンコ(ロシア)、アンドレ・カイパース(ESA)、ドナルド・ペティット(NASA)宇宙飛行士のISS滞在は18日経過しました。
クルーは6名体制でクリスマスと新年を迎える
第30次長期滞在クルーのバーバンク宇宙飛行士らは、科学実験やメンテナンス作業など6名体制でのISS運用を行うとともに、クリスマスと新年は休暇を取り、ささやかなお祝いや地上の家族との通信、休息などの時間を過ごしました。
2012年を迎えたISSでは、まず、1月26日に打上げが予定されているロシアのプログレス補給船(46P)の到着に備え、ISSのリブースト(軌道上昇)が行われる予定です。その後、46Pの到着に先立ち、プログレス補給船(45P)がISSから分離します。
また、2月には米国初の商業宇宙船であるドラゴン宇宙船が、3月には欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)3号機「エドアルド・アマルディ」がISSへ到着する予定です。これらの宇宙機は、現在、地上で打上げに向けた準備が進められています。
【2012年有人宇宙主要イベント予告】
旧年中はご愛読ありがとうございました。本年も引き続きISS・きぼうウィークリーニュースをよろしくお願いいたします。
※画像はイメージを含みます。
インフォメーション
古川宇宙飛行士ISS長期滞在ミッション報告会in東北大学開催、参加者募集
古川宇宙飛行士と「きぼう」日本実験棟(出典:JAXA)
JAXAと東北大学は、第28次/第29次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した古川宇宙飛行士によるISS長期滞在ミッション報告会と、「きぼう」およびISSにおける利用実験の内容と準備状況の報告会を、1月27日(金)に東北大学にて開催します。
参加は無料ですが事前申し込み(定員1,000名、先着順)が必要です。プログラムの詳細や参加申し込み方法についてはホームページをご覧ください。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
平成23年度第2回宇宙医学生物学研究ワークショップ開催、参加者募集
JAXAは、国際宇宙ステーション(ISS)と「きぼう」日本実験棟を利用した宇宙医学生物学研究に取り組み、そこで得られた研究成果を社会に還元することを目的としたワークショップを開催しています。その第2回目を、「宇宙医学と健康増進科学」をテーマとして、2月1日(水)に東京都港区虎の門のスタンダード会議室にて開催します。
本ワークショップは一般の方もご聴講頂けます。参加は無料ですが事前申し込みが必要です。参加申し込み方法などについてはホームページをご覧ください。多くの皆様のご参加をお待ちしています。