ISS・きぼうウィークリーニュース第328号
2009年1月27日
スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119)の準備状況
若田宇宙飛行士らSTS-119クルーはTCDTを終了
TCDTにて、緊急脱出訓練を終えたSTS-119クルー(右から3番目が若田宇宙飛行士)(提供:NASA)
NASAケネディ宇宙センター(KSC)では、若田宇宙飛行士の搭乗するスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119ミッション)の打上げに向けた準備が進められています。
米国時間1月19日から21日にかけて、若田宇宙飛行士らSTS-119クルーは、ターミナル・カウントダウン・デモンストレーション・テスト(Terminal Countdown Demonstration Test: TCDT)に参加しました。クルーは、射点からの緊急避難訓練や、ディスカバリー号に搭載されたS6トラスの搭載状況の確認、カウントダウン作業を模擬した訓練などを行いました。
クルーは、TCDTを終えたあとNASAジョンソン宇宙センター(JSC)に戻り、打上げに向けた最終訓練を行っています。
米国時間1月21日には、ディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)ドアが閉じられました。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から236日経過しました
氷結晶成長実験は順調に進行中
「きぼう」日本実験棟では、「氷結晶成長におけるパターン形成」(代表研究者:北海道大学低温科学研究所 古川義純教授)の実験が順調に行われています。この実験は、1月末で一度終了し、3月上旬から再開される予定です。実験の詳細や今後の予定については以下のページをご覧ください。
2月上旬に「きぼう」でふたつのライフサイエンス実験が開始予定
2月上旬には、宇宙放射線が細胞に与える影響を調べるふたつの実験が行われる予定です。ひとつは「哺乳動物培養細胞における宇宙環境曝露後のp53調節遺伝子群の遺伝子発現」(代表研究者:奈良県立医科大学 大西武雄教授)です。もうひとつは「ヒト培養細胞におけるTK変異体のLOHパターン変化の検出」(代表研究者:理化学研究所 谷田貝文夫特別嘱託)です。ふたつの実験の目的や内容、代表研究者インタビューなどを詳しく紹介するページを開設しましたので、ぜひご覧ください。
「きぼう」ロボットアームの機能確認試験を実施
「きぼう」ロボットアームの操作を行うサンドラ・マグナス宇宙飛行士(提供:NASA)
米国時間1月19日、ISS長期滞在クルーの手動操作による「きぼう」ロボットアームの制御モード動作確認や、アーム先端のエンドエフェクタ(把持手)の動作確認などが行われ、問題なく動作することが確認されました。
「きぼう」ロボットアームは、STS-127(2J/A)ミッションでは、搭載装置を船外パレットから船外実験プラットフォームに移設する際に使用されます。若田宇宙飛行士の長期滞在中には、STS-127ミッションでのロボットアーム運用に備えた操作確認などが行われる予定です。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3721日経過しました
クルーはSTS-119ミッションに向けた準備を実施
物品の整理を行うロンチャコフ宇宙飛行士(提供:NASA)
第18次長期滞在クルーのISS滞在は、マイケル・フィンク、ユーリ・ロンチャコフ両宇宙飛行士は105日、サンドラ・マグナス宇宙飛行士は72日が経過しました。
クルーは、宇宙服の整備や船外活動用工具の準備、物品の整理など、STS-119ミッションに向けた準備を行いました。マグナス宇宙飛行士は、軌道上と地上とを結んで、STS-119ミッションでISS長期滞在クルーを交代する若田宇宙飛行士と作業の確認を行いました。そのほか、燃焼実験ラック(Combustion Integrated Rack: CIR)の初期機能確認などを行いました。