ISS・きぼうウィークリーニュース第388号
2010年6月22日
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から747日経過しました
マランゴニ対流実験実施、MAXIサイエンスニュースを随時掲載中
MAXIサイエンスニュース(出典:JAXA/RIKEN/MAXIチーム)
「ISS宇宙飛行士の‘moon’ score」の一部(出典:野村仁/JAXA)
「きぼう」日本実験棟船内実験室では、6月22日から23日にかけて、「マランゴニ対流における時空間構造」実験が行われます。
この実験では、マランゴニ対流のメカニズムを解明することを目的としており、研究結果は、地上で高品質な半導体用結晶を作る技術への応用や、電子機器を冷却するヒートパイプの高効率化への貢献が期待されます。
そのほか、「きぼう」船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用が続けられています。なお、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)は、観測運用の再開に向けた作業が引き続き進められています。
ホームページでは、MAXIサイエンスニュースを随時掲載しています。MAXIにより観測されたブラックホール新星のX線増加の発見の速報、新天体の発見、活動銀河の最大フレアを捉えるなど、毎号大変興味深い話題を掲載していますので、ぜひご覧下さい。
文化・人文社会科学利用パイロットミッション「ISS宇宙飛行士の‘moon’ score」が6月14日に終了しました。
‘moon’ scoreは、国際宇宙ステーション(ISS)の窓から見えるさまざまな月齢の月を撮影し、写真1枚1枚を音符に見立てて音楽を創作する取り組みで、2008年8月20日の開始から約2年にわたり断続的に撮影が行われました。今後、代表提案者の野村仁京都市立芸術大学名誉教授による音楽作品の制作が行われる予定です。
「きぼう」では、6月5日午後8時40分頃に発生した熱制御用の冷却水供給温度調整機能異常の対処として、冷却水供給温度調整機能を冗長系に切り替えて運用を実施していましたが、6月10日に主系の確認試験を実施した結果、正常に機能することが確認されたため、主系による運用に戻しました。その後、異常の再発はなく、冷却水供給温度調整機能は正常に機能しています。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4232日経過しました
新たな長期滞在クルー3名がISSに到着、ISSは6名での運用体制へ
射点にて、打上げ前の23Sクルー(出典:JAXA/NASA/Carla Cioffi)
ソユーズ宇宙船(23S)の打上げ(出典:JAXA/NASA/Carla Cioff)
第24次長期滞在クルーのISS滞在は、アレクサンダー・スクボルソフ、トレーシー・カードウェル、ミカエル・コニエンコ宇宙飛行士は79日、ダグラス・ウィーロック、フョードル・ユールチキン、シャノン・ウォーカー宇宙飛行士は4日経過しました。
クルーはソユーズ宇宙船(23S)の到着に向けた準備や、新しいクルーのオリエンテーションなどを行いました。
ウィーロック、ユールチキン、ウォーカー宇宙飛行士を乗せた23Sは、6月16日午前6時35分に、ロシアのソユーズロケットによりカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、打上げから2日後の6月18日午前7時21分にISSにドッキングしました。
スクボルソフ宇宙飛行士らは新たな長期滞在クルー3名を歓迎し、6名体制でのISS運用を開始しました。
ISS長期滞在を開始したウィーロック、ユールチキン、ウォーカー宇宙飛行士は、ISSで緊急事態が発生した場合の対応手順や避難ルートの確認などISSの安全に関わる説明や、ISS船内の装置の説明などを受けるオリエンテーションを行いました。
食料や交換修理品などの補給物資を搭載したプログレス補給船(38P)は、7月1日にロシアのソユーズロケットによりカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、打上げから2日後の7月3日にISSへドッキングする予定です。
インフォメーション
「第47回JAXAタウンミーティング」 in 札幌開催、参加者募集
JAXAは、札幌市青少年科学館と共催で、「第47回JAXAタウンミーティング」 in 札幌を、7月10日(土)午後6時より、札幌市厚別区の札幌市青少年科学館で開催します。
今回のタウンミーティングでは、JAXAの長谷川義幸執行役と山崎宇宙飛行士が登壇し、国際宇宙ステーション(ISS)や「きぼう」日本実験棟、宇宙ステーション補給機(HTV)、STS-131ミッションなどの話題でトークセッションを行います。
参加は無料ですが、事前申し込みが必要です。お申し込みは往復はがきにて、締切りは6月28日(月)必着です。なお、参加人数は先着200名までとさせて頂きます。
プログラムの概要やお申込み方法の詳細につきましては、以下のページをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしています。