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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第361号

2009年11月10日

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から523日経過しました

マランゴニ対流実験の準備作業、植物長期生育実験などを順調に実施

「きぼう」日本実験棟船内実験室では、11月3日から7日にかけて、「マランゴニ対流における時空間構造」の準備作業が行われました。

マランゴニ対流実験は、船内実験室にある流体実験ラックの流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)で行われます。シリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、液柱にマランゴニ対流を発生させて、液柱の表面の流速や温度の分布、内部の流れの変化を調べます。

今回の実験では、対流を観察する方法として、超音波によるドップラー効果を利用した超音波流速分布測定法という方法を利用し、流れを測定します。この実験は、近日中に開始される予定です。

「きぼう」船内実験室ではそのほか、植物長期生育実験(Space Seed)が順調に進められています。本実験は11月11日にシロイヌナズナの収穫を行い、実験を終了します。

また、11月中旬頃からは、生命科学実験「カイコ生体反応による長期宇宙放射線曝露の総合的影響評価」(Rad Silk)と「線虫C.elegansを用いた宇宙環境におけるRNAiとタンパク質リン酸化」(CERISE)が開始される予定です。

「きぼう」船外実験プラットフォームでは、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の初期機能確認、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)による宇宙環境観測などが順調に進められています。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから4008日経過しました

クルーはMRM2とアトランティス号の到着に備える

打上げ準備中のM-MRM2宇宙船(©S.P.Korolev RSC Energia)

打上げ準備中のM-MRM2宇宙船(©S.P.Korolev RSC Energia)

打上げ準備中のM-MRM2宇宙船(©S.P.Korolev RSC Energia)

打上げ準備中のM-MRM2宇宙船(©S.P.Korolev RSC Energia)

第21次長期滞在クルーのISS滞在は、フランク・デヴィン、ロバート・サースク、ロマン・ロマネンコ宇宙飛行士は166日、ニコール・ストット宇宙飛行士は71日、ジェフリー・ウィリアムズ、マキシム・スライエフ両宇宙飛行士は39日が経過しました。

クルーは、科学実験やメンテナンス作業のほか、5Rミッションに向けた準備や、STS-129ミッションに向けた宇宙服の整備などに忙しい日々を過ごしました。

5Rミッションは、ロシアのプログレスM-MRM2宇宙船を打ち上げて、ロシアの小型研究モジュール2(Mini-Research Module 2: MRM2)を、ISSの「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の上部ドッキングポートに結合させるミッションです。

MRM2は、「ピアース」(ロシアのドッキング室)と同様に、ロシアのエアロックおよびドッキングポートの役割を果たすモジュールであり、形状や能力もほぼピアースと同様です。なお、MRM2にはロシア語で「Poisk」(英語で「Search」または「Quest」という意味)という名称が付けられています。

プログレスM-MRM2宇宙船は、ロシアのソユーズロケットでカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から11月10日午後11時22分に打ち上げられ、11月13日午前0時44分にISSへドッキングする予定です。

STS-129ミッションの準備状況

アトランティス号の打上げに向けた準備は順調に進行中

ELCの搭載状況を確認するSTS-129クルー(提供:NASA)

ELCの搭載状況を確認するSTS-129クルー(提供:NASA)

NASAケネディ宇宙センター(KSC)では、スペースシャトル・アトランティス号(STS-129ミッション)の打上げに向けた準備が順調に進められています。

ISSの姿勢制御を行うコントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)の予備品などの曝露補給品を搭載したエクスプレス補給キャリア(Express Logistics Carrier: ELC)2基は、米国時間11月3日にアトランティス号のペイロードベイ(貨物室)へ搭載されました。

STS-129クルーは、打上げに向けて、米国時間11月12日にKSCに到着します。アトランティス号は、11月17日午前4時28分にKSCの39A射点から打ち上げられる予定です。

インフォメーション

国際宇宙ステーション利用の成果 国際シンポジウム参加者募集のお知らせ

JAXAは、11月23日、国際宇宙ステーション利用の成果 国際シンポジウムを東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催します。国際宇宙ステーション(ISS)と「きぼう」日本実験棟でこれまでに得られた利用成果を紹介するほか、米国の今後の宇宙活動方針や、「デスティニー」(米国実験棟)での宇宙実験の成果も紹介します。

入場料は無料ですが、事前申込みが必要となります。申込み方法やプログラムについては以下のページをご覧ください。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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