ISS・きぼうウィークリーニュース第411号
2010年11月30日
トピックス
種子島宇宙センターにて「こうのとり」2号機プレス公開
プレス公開された「こうのとり」2号機(出典:JAXA)
宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)のプレス公開が、2010年11月25日、種子島宇宙センターにて行われました。打上げ前の公開は、これが最後の機会でした。
種子島宇宙センターの第2衛星フェアリング組立棟(Second Spacecraft and Fairing Assembly Building: SFA2)では、打上げ形態に電気的・機械的に結合(全機結合)された後、総合的な機能確認を目的とした全機点検が行われている「こうのとり」2号機が公開されました。
また、公開に先立ち、プレス向けの説明会が開催されました。説明会では、虎野吉彦HTVプロジェクトマネージャから「こうのとり」の概要や「こうのとり」1号機(HTV技術実証機)の運用実績の説明、「こうのとり」2号機の打上げに向けた準備状況や飛行計画の説明、搭載される物資の紹介などが行われました。
「こうのとり」2号機は、今後、推進薬の充填作業やフェアリング(H-IIBロケットの先端に取り付ける「こうのとり」の機体を保護するカバー)への格納、大型ロケット組立棟(Vehicle Assembly Building: VAB)への移動、H-IIBロケット2号機との結合など、打上げに向けた最終準備段階を経て、2011年1月20日午後3時29分頃に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。
「きぼう」ロボットアームが「第4回ロボット大賞」にて優秀賞などを受賞!
表彰式の様子(出典:JAXA)
表彰式の様子(出典:JAXA)
JAXAとNEC(日本電気株式会社)は、「きぼう」ロボットアーム(親アーム)により、経済産業省/社団法人日本機械工業連合会が主催する「第4回ロボット大賞」において公共・フロンティアロボット部門「優秀賞」と「日本科学未来館館長賞」を共同で受賞し、11月26日、東京お台場の日本科学未来館で行われた表彰式にて表彰されました。
今回の受賞では、厳しい環境下である宇宙において、STS-127(2J/A)ミッションと宇宙ステーション補給機「こうのとり」1号機(HTV1)のフライトで合計5台の船外実験プラットフォーム実験装置の移設に成功し、幅広い要素が統合されたロボット技術が高く評価されました。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から908日経過しました
JAXA PCG実験の3回目を終了、マランゴニ対流実験などを継続
「きぼう」日本実験棟船内実験室では、流体実験ラックの蛋白質結晶生成装置(Protein Crystallization Research Facility: PCRF)で行われていた3回目の「タンパク質結晶生成実験」(JAXA PCG)が11月26日に終了し、生成された結晶はソユーズ宇宙船(23S)で地上に回収されました。今後、結晶の詳細な分析が行われ、新薬の開発などへの貢献が期待されます。
流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)では「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」実験の第3シリーズを継続的に実施しています。
「きぼう」船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用が続けられています。
なお、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-133 ミッション)の打上げが12月18日以降に延期されたことに伴い、「きぼう」での今後の実験計画について調整が行われています。
STS-133ミッションの準備状況
ディスカバリー号の打上げは12月18日以降に延期
スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-133ミッション)の打上げは、12月18日以降に延期されました。
ディスカバリー号の外部燃料タンク(External Tank: ET)の中間タンク(ET内の液体酸素タンクと液体水素タンクを結合する構造物)で発見されたクラック(亀裂)の修理作業として、クラックが生じた金属部の交換と断熱材の再施工が行われ、11月24日に作業は終了しました。しかし、ディスカバリー号の飛行に向けた修理結果の解析と評価に時間を要するため、NASAは、12月18日午前10時51分以降の打上げを目標とすることを決定しました。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4393日経過しました
第26次長期滞在クルー
スコット・ケリー(NASA)、アレクサンダー・カレリ(ロシア)、オレッグ・スクリポチカ(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は52日経過しました。
23Sは11月26日にカザフスタン共和国へ無事着陸
2010年6月から約161日間ISSに滞在していたダグラス・ウィーロック、フョードル・ユールチキン、シャノン・ウォーカー宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船(23S)は、11月26日午前10時23分にISSから分離し、同日午後1時46分にカザフスタン共和国に無事着陸しました。
第26次長期滞在クルーとなったケリー、カレリ、スクリポチカ宇宙飛行士は、新たなクルーが到着するまでの間、3名でISSを運用します。新たに第26次長期滞在クルーに加わるドミトリー・コンドラティェフ、キャスリン・コールマン、パオロ・ネスポリ宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船(25S)は、12月16日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定です。