今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から117日経過しました
マランゴニ対流実験再開、液柱に混入した気泡の除去を実施
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マランゴニ対流実験の液柱(シリコーンオイル)の気泡の混入(縦方向から撮影)(クA輅AXA/諏訪東京理科大学)
「きぼう」日本実験棟では、ハリケーン「アイク」の影響で一時中断されていた「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:諏訪東京理科大学河村洋教授)の実験が再開され、60mmの液柱が生成されました。
9月20日、船内実験室にある流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)内で液柱の形成を行いましたが、液柱内に気泡の混入が見られたため、気泡の除去が行われました。この気泡は、液柱に混入した微小な気泡が、マランゴニ対流の観察のため液柱の両端の温度差を大きくしたことによって大きく成長したもので、実験の妨げとなるため、除去作業が必要でした。河村教授とJAXA実験運用チームは、気泡の周囲に発生するマランゴニ対流の効果を積極的に活用した、気泡除去の手法を習得しました。
9月22日には細胞実験ラックのクリーンベンチ(Clean Bench: CB)の機能確認を行い、顕微鏡などの機能に問題がないことが確認されました。
また、9月30日には、「きぼう」における最初の有償利用テーマである「LOTTE XYLITOL Mission」 が行われました。
「きぼう」は通常の状態に復帰、実験も再開
ハリケーン「アイク」の影響で閉鎖されていたNASAジョンソン宇宙センター(JSC)は、9月22日から再開されました。国際宇宙ステーション(ISS)の運用は、JSC再開に先立ち、9月20日にNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)のバックアップ管制センターからJSC内のミッションコントロールセンターに戻され、通常の運用体制に戻りました。それに伴い、「きぼう」も通常の状態に戻され、中断されていた「きぼう」での実験が再開されました。