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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第312号

2008年9月30日

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から117日経過しました

マランゴニ対流実験再開、液柱に混入した気泡の除去を実施

マランゴニ対流実験の液柱(シリコーンオイル)の気泡の混入(縦方向から撮影)(クA輅AXA/諏訪東京理科大学)

マランゴニ対流実験の液柱(シリコーンオイル)の気泡の混入(縦方向から撮影)(クA輅AXA/諏訪東京理科大学)

「きぼう」日本実験棟では、ハリケーン「アイク」の影響で一時中断されていた「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:諏訪東京理科大学河村洋教授)の実験が再開され、60mmの液柱が生成されました。

9月20日、船内実験室にある流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)内で液柱の形成を行いましたが、液柱内に気泡の混入が見られたため、気泡の除去が行われました。この気泡は、液柱に混入した微小な気泡が、マランゴニ対流の観察のため液柱の両端の温度差を大きくしたことによって大きく成長したもので、実験の妨げとなるため、除去作業が必要でした。河村教授とJAXA実験運用チームは、気泡の周囲に発生するマランゴニ対流の効果を積極的に活用した、気泡除去の手法を習得しました。

9月22日には細胞実験ラックのクリーンベンチ(Clean Bench: CB)の機能確認を行い、顕微鏡などの機能に問題がないことが確認されました。

また、9月30日には、「きぼう」における最初の有償利用テーマである「LOTTE XYLITOL Mission」 が行われました。

「きぼう」は通常の状態に復帰、実験も再開

ハリケーン「アイク」の影響で閉鎖されていたNASAジョンソン宇宙センター(JSC)は、9月22日から再開されました。国際宇宙ステーション(ISS)の運用は、JSC再開に先立ち、9月20日にNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)のバックアップ管制センターからJSC内のミッションコントロールセンターに戻され、通常の運用体制に戻りました。それに伴い、「きぼう」も通常の状態に戻され、中断されていた「きぼう」での実験が再開されました。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから3602日経過しました

プログレス補給船(30P)が到着、欧州補給機(ATV)は大気圏再突入

ISSから分離したATV(提供:NASA)

ISSから分離したATV(提供:NASA)

ATV大気圏再突入の様子(クA軼SA)

ATV大気圏再突入の様子(クA軼SA)

第17次長期滞在クルーのISS滞在は、セルゲイ・ヴォルコフ、オレッグ・コノネンコ両宇宙飛行士は173日、グレゴリー・シャミトフ宇宙飛行士は119日経過しました。

クルーは、プログレス補給船(30P)から荷物を運び出す作業や、STS-126(UFL2)ミッションに向けた準備などを行いました。

30Pは、9月18日午前3時43分にISSにドッキングしました。また、9月6日にISSから分離した欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)は、9月29日午後7時00分から第1回目の、同午後9時58分から第2回目の軌道離脱噴射を行い、同午後10時31分に大気圏に再突入して、南太平洋上に安全に投棄されました。

第18次長期滞在クルーの搭乗するソユーズ宇宙船(17S)は、10月12日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる予定です。

トピックス

「きぼう」船外実験プラットフォームと船外パレットが米国に到着

KSCに到着した船外実験プラットフォームと船外パレット(提供:NASA)

KSCに到着した船外実験プラットフォームと船外パレット(提供:NASA)

米国時間9月24日、「きぼう」船外実験プラットフォームおよび船外パレットがNASAケネディ宇宙センター(KSC)に到着し、宇宙ステーション整備施設(Space Station Processing Facility: SSPF)に運ばれました。この後、来年5月の打上げに向けた整備作業が行われる予定です。

「きぼう」船外実験プラットフォームおよび船外パレットは、スペースシャトル・エンデバー号(STS-127(2J/A)ミッション)で打ち上げられ、「きぼう」船内実験室へと取り付けられる予定です。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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