ISS・きぼうウィークリーニュース第325号
2009年1月 6日
トピックス
ISS長期滞在が決定した古川宇宙飛行士の記者会見実施
1月5日、JAXA東京事務所にて、ISS第28次/第29次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することが決定した古川宇宙飛行士の記者会見が行われました。
記者会見で、古川宇宙飛行士は、「医師であり科学者であるというバックグラウンドを活かし、生命科学実験の促進に貢献したい」とISS滞在に向けた抱負を語りました。また、「ISS長期滞在決定の連絡を受けたとき、どんな気持ちでしたか」という記者の質問に対し、「12月中旬頃、ロシアでの訓練中に連絡を受け、やった!という感じでした」とガッツポーズの身振りを交えて喜びを語りました。
宇宙ステーション補給機(HTV)プレス公開
構成要素の全機結合後、初めてプレス公開されたHTV初号機
2008年12月25日、筑波宇宙センター(TKSC)にて、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)技術実証機(初号機)の全機結合後初のプレス公開が行われ、直径4.4m、全高10mを越える大きな機体を報道陣の前に現しました。
また、プレス公開に先立ち、虎野吉彦HTVプロジェクトマネージャらによるHTVやH-IIBロケット、HTV初号機に搭載される超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submilimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)の説明が行われました。SMILESは「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに取り付けられる実験装置のひとつです。
HTV初号機は現在、TKSCの総合環境試験棟で全機機能試験を行っており、試験の完了後、再び各モジュールに分解され、4月以降に種子島宇宙センターへ搬送される予定です。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から215日経過しました
「きぼう」での実験「氷結晶成長におけるパターン形成」を再開、順調に進行中
「きぼう」日本実験棟では、1月5日から「氷結晶成長におけるパターン形成」(代表研究者:北海道大学低温科学研究所 古川義純教授)の実験が再開され、順調に行われています。
この実験は、対流のない微小重力ならではの環境を使って氷の結晶を成長させ、その様子を観察することで、氷の結晶成長過程に対する理解を深めることを目的としています。物質は異なっていても、結晶の成長の仕組みは共通であるため、氷の結晶の成長の仕組みを理解することは、金属結晶の成長の仕組みを理解することにもつながり、より高品質な結晶成長の手法の確立などに役立つことが期待されます。
実験の詳細や、今後の予定については以下のページをご覧ください。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3700日経過しました
クルーは作業のかたわら、クリスマスと新年を祝う
マグナス宇宙飛行士とクリスマスの仮装をしたロシアのオーラン宇宙服(提供:NASA)
第18次長期滞在クルーのISS滞在は、マイケル・フィンク、ユーリ・ロンチャコフ両宇宙飛行士は84日、サンドラ・マグナス宇宙飛行士は51日が経過しました。
クルーは、水再生システム(Water Recovery System: WRS)の機能確認や、処理された水のサンプルの取得と分析、旧型のエクササイズ装置(Resistive Exercise Device: RED)の撤去と改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)の設置に向けた作業などを行いました。
また、クルーは作業のかたわら、クリスマスと新年を祝うとともに休暇を取りました。米国時間2008年12月25日には、クリスマスクッキーなどクリスマスの特別な食事を楽しみました。同12月29日には、地上の人々へ一足早く、新年の挨拶を送りました。