ISS・きぼうウィークリーニュース第368号
2010年1月 5日
トピックス
ソユーズTMA-17宇宙船ドッキング成功、野口宇宙飛行士ISS長期滞在開始
「きぼう」の窓辺にて野口宇宙飛行士(提供:NASA)
船内実験室内の清掃を行う野口宇宙飛行士(提供:NASA)
ISSから新年の挨拶を述べる野口宇宙飛行士(©JAXA)
野口宇宙飛行士ら国際宇宙ステーション(ISS)の第22次/第23次長期滞在クルーが搭乗するソユーズTMA-17宇宙船(21S)は、2009年12月23日午前7時48分にISSへドッキングしました。野口宇宙飛行士らは同日午前9時30分にISSへ入室し、ISS長期滞在を開始しました。
入室後に行われた交信イベントで、野口宇宙飛行士は、「無事にISSに戻ってきました」と述べ、「日本の皆さんに宇宙のすばらしさを感じてもらえるよう、たくさん発信して行きたい」と、ISS長期滞在に向けた抱負を語りました。
新たなメンバーとしてISS長期滞在を開始した野口、オレッグ・コトフ、ティモシー・クリーマー宇宙飛行士は、2009年12月23日から31日にかけて、ISSで緊急事態が発生した場合の対応手順や避難ルートの確認などISSの安全に関わる説明や、ISS船内の装置の説明などを受けるオリエンテーション、ISSクルー全員でのソユーズ宇宙船への緊急避難訓練、ISSの定常的なメンテナンス作業などを行いました。
また、クリスマスと新年には休暇を取得し、米国とロシア、日本という多国籍なクルー構成にふさわしく、それぞれの文化的な特色を共有してクリスマスと新年を祝いました。
野口宇宙飛行士は、1月4日から6日にかけて、「きぼう」日本実験棟ロボットアームの子アームを組み立てる作業を行います。そのほか、ISSの運用を行うとともに、「きぼう」日本実験棟や「デスティニー」(米国実験棟)、「コロンバス」(欧州実験棟)で行われる実験の支援など、様々な作業を行います。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から579日経過しました
船外実験装置の観測運用は順調、船内実験室では「宇宙庭」を開始
宇宙庭の栽培キットを持つ野口宇宙飛行士(©松井紫朗/JAXA(実施))
「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)、全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用が順調に進められています。
2009年12月28日深夜からは、文化/人文社会科学利用パイロットミッションの「宇宙庭」(代表提案者:松井紫朗京都市立芸術大学准教授)が開始されました。植物の種子を入れた栽培キットに野口宇宙飛行士が水やりを行い、約2ヶ月間の栽培を開始しました。
野口宇宙飛行士のISS長期滞在期間中、「きぼう」では、微小重力環境を利用して、高効率な太陽光発電や有害物質の除去などへの貢献が期待できるナノレベルの高機能多孔質材料(ナノスケルトン)を創製する実験(NANOSKELETON1)や、地上の環境・エネルギー問題の解決への貢献が期待できる高品質のタンパク質結晶を生成する実験(JAXA PCG)など、様々な実験を行います。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4064日経過しました
新たなクルー3名が加わり、ISS長期滞在クルーは5名体制に
第22次長期滞在クルーのISS滞在は、ジェフリー・ウィリアムズ、マキシム・スライエフ両宇宙飛行士は95日、オレッグ・コトフ、野口聡一、ティモシー・クリーマー宇宙飛行士は14日が経過しました。
ウィリアムズ、スライエフ両宇宙飛行士は、ソユーズTMA-17宇宙船(21S)の到着に向けた準備などを行い、2009年12月23日に、野口宇宙飛行士ら新たな第22次長期滞在クルー3名をISSへ迎えました。
5名のクルーで運用されるISSでは、米国時間1月11日から12日にかけて「トランクウィリティー」(第3結合部)の到着に向けた与圧結合アダプタ3(Pressurized Mating Adapter: PMA-3)の移設作業が行われます。また、同1月14日には、ロシアの小型研究モジュール2(Mini-Research Module 2: MRM2)外部へKurs自動ドッキングシステムのアンテナ取付けなどを行うロシアの船外活動が予定されています。
STS-130ミッションの準備状況
エンデバー号はスペースシャトル組立棟で新年を迎える
NASAケネディ宇宙センター(KSC)では、スペースシャトル・エンデバー号(STS-130ミッション)の打上げに向けた準備が進められています。
スペースシャトル組立棟(Vehicle Assembly Building: VAB)で新年を迎えたエンデバー号は、米国時間1月6日に39A射点へ移動する予定です。
STS-130ミッションはISSへの組立・補給ミッションで、「トランクウィリティー」(第3結合部)と、6枚の窓と天窓、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の操作盤などを備えた観測モジュールのキューポラを運搬し、ISSに取り付けます。エンデバー号は米国時間2月7日に打ち上げられる予定です。