今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4288日経過しました
ISSの熱制御システム復旧に向け、第2回目と第3回目の船外活動を実施
船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)の準備を行うウィーロック宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
第2回目の船外活動を行うカードウェル、ウィーロック両宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
第24次長期滞在クルーのISS滞在は、アレクサンダー・スクボルソフ、トレーシー・カードウェル、ミカエル・コニエンコ宇宙飛行士は135日、ダグラス・ウィーロック、フョードル・ユールチキン、シャノン・ウォーカー宇宙飛行士は60日経過しました。
クルーは、ISSの外部熱制御システム(External Thermal Control System: ETCS)異常の復旧に向けた第2回目と第3回目の船外活動の実施など忙しい日々を過ごしました。
8月11日、ETCSの故障した1系統の復旧に向けた船外活動の第2回目が行われ、カードウェル、ウィーロック両宇宙飛行士は、第1回目の船外活動に引き続いてアンモニア流体配管の着脱コネクタ(Quick Disconnect: QD)の解除などを行い、故障したポンプモジュール(Pump Module: PM)をS1トラスから取り外してモービルトランスポータ(台車:MT)上のペイロード/軌道上交換ユニット把持装置(Payload and Orbital Replacement Unit Accommodation: POA)に仮置きするとともに、船外保管プラットフォーム2(External Stowage Platform: ESP-2)に保管されている予備のPMの準備作業を行いました。なお、今回の船外活動では、アンモニア流体配管のQDからのアンモニア漏れは再発せず、作業は順調に進行しました。
8月16日、船外活動の第3回目が行われ、カードウェル、ウィーロック両宇宙飛行士は、予備のPMをESP-2から取り外してS1トラスに設置した後、電力・通信配線やアンモニア流体配管の接続、バルブの解放などの作業を行いました。
POAに仮置きしていた古いPMをESP-2に保管する作業は時間が足りなくなったためキャンセルされました。
第4回目以降の船外活動については今後検討される予定です。
現在交換したポンプを作動させ動作確認が行われており、今週中に正常な状態に復旧できる見込みです。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から803日経過しました
「きぼう」定常状態に向け作業中
ISS-「きぼう」間の熱制御システム系統(イメージ)
「きぼう」日本実験棟では、停止していた熱制御システムの低温熱制御ループの復旧作業を行っています。低温熱制御ループ復旧後、遮断していた電源系統の起動を行い、今週中に通常の状態に戻る予定です。
船内での実験については、来週から再開できる見込みですが、実験計画の見直しや日程の調整を今後行います。
宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)ともに、今後機器のチェックを行い動作確認後に観測が再開される予定です。
なお、2次元ナノテンプレート作製実験は、「デスティニー」(米国実験棟)の冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)で継続されています。
※「きぼう」船内実験室には、中温と低温の2系統の冷却水循環ループがあり、船内実験室と結合している「ハーモニー」(第2結合部)のアンモニア-水熱交換器を通して排熱を行っています。
インフォメーション
9月10日(金)開催「JAXAシンポジウム2010 in 名古屋」参加者募集
「JAXAシンポジウム2010 in 名古屋」ポスター(出典:JAXA)
JAXAは、「JAXAシンポジウム2010 in 名古屋」を、9月10日(金)午後6時30分から、テレピアホール(名古屋市東区)で開催します。
シンポジウムでは、「世界に羽ばたく日本の宇宙開発と航空技術」と題し、「空の事故を減らす -乱気流検知への挑戦-」と「我が国最大のH-IIBロケットの開発と日本初の宇宙船HTVの開発と運用、そして今後の展開について」のふたつのテーマを取り上げ、これまでに得られた成果や、その先に目指す将来像をご紹介します。
参加は無料ですが事前申し込みが必要です。プログラムの概要や参加申込みの詳細はホームページをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしています。
また、JAXAでは、会場にお越しできない多くの皆様にもシンポジウムの模様をご覧頂けるよう、インターネットライブ中継協力事業者を併せて募集します。応募の条件や申込み方法の詳細はホームページをご覧ください。