ISS・きぼうウィークリーニュース第351号
2009年8月25日
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から446日経過しました
ICSによる「きぼう」と筑波宇宙センター間の通信に成功
ICS経由でダウンリンクされた試験画像
「きぼう」日本実験棟では、STS-127ミッションで船外実験プラットフォームに取り付けられた衛星間通信システム(Inter-orbit Communication System: ICS)の試験通信が行われ、ICSによる「きぼう」と筑波宇宙センター(TKSC)間の通信に成功しました。
8月21日午後0時11分、JAXAのデータ中継技術衛星「こだま」(Data Relay Test Satellite: DRTS)を経由して「きぼう」からTKSCの「きぼう」運用管制室へ試験画像のダウンリンクを行い、試験画像が正常に伝送されることを確認しました。この試験通信の成功により、国際宇宙ステーション(ISS)との直接通信が可能な国として、米国、ロシアと共に、日本が新たに加わりました。
また、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」の第2シリーズの実験データが順調に取得されたほか、船外実験装置の全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)と宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment - Attached Payload: SEDA-AP)の初期機能確認が引き続き進められています。
トピックス
HTV初号機、衛星フェアリングに格納
種子島宇宙センターの第2衛星フェアリング組立棟(Second Spacecraft and Fairing Assembly Building: SFA2)では、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)技術実証機(初号機)の打上げに向けた準備が順調に進められています。
8月上旬に推進剤の充填作業が終了したHTV初号機は、8月21日、ロケットと衛星をつなぐ台座である衛星分離部(Payload Attach Fitting: PAF)に結合されました。8月23日には、PAFに結合されたHTV初号機を衛星フェアリングに格納する作業が行われました。
今後、SFA2から大型ロケット組立棟(Vehicle Assembly Building: VAB)への移動、H-IIBロケットとの結合など、9月11日の打上げに向けた最終準備作業が行われます。打上げに向けた最新情報は以下のサイトをご覧ください。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3931日経過しました
クルーはSTS-128ミッションやHTV初号機の到着に向けた準備を実施
「クエスト」(エアロック)で作業を行うコプラ宇宙飛行士(提供:NASA)
第20次長期滞在クルーのISS滞在は、ゲナディ・パダルカ、マイケル・バラット両宇宙飛行士は150日、フランク・デヴィン、ロバート・サースク、ロマン・ロマネンコ宇宙飛行士は89日、ティモシー・コプラ宇宙飛行士は38日が経過しました。
クルーは、科学実験やメンテナンス作業のほか、HTV初号機の到着に向けたISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)操作訓練や、STS-128ミッションに向けた物品の整理やミッションタイムラインの確認などに忙しい日々を過ごしました。
コプラ宇宙飛行士は、STS-128ミッションでISSへ運ばれるクルーの個室などの到着に備え、ISS船内のラックを移動する作業を行いました。また、ニコール・ストット宇宙飛行士とのISS長期滞在クルーの交代と、自身の帰還に向けた準備を行いました。
STS-128ミッションの準備状況
スペースシャトル・ディスカバリー号の打上げは延期
射点に到着したSTS-128クルー(提供:NASA)
KSC周辺の天候不良により、打上げ中止となったディスカバリー号(提供:NASA)
スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-128ミッション)の打上げは、8月25日午後2時36分に予定されていましたが、NASAケネディ宇宙センター(KSC)周辺の天候不良のため、延期されました。NASAは、次の打上げ日時を8月26日午後2時10分と発表しています。
8月25日の打上げに備え、STS-128クルーは米国時間8月19日夜にKSCに到着しました。8月22日午後0時からカウントダウン作業が開始され、外部燃料タンク(External Tank: ET)の燃料充填作業やSTS-128クルーの搭乗など、打上げに向けた準備作業が順調に進められていましたが、8月25日の打上げは中止となりました。
STS-128ミッションはISSへの補給ミッションで、クルーの個室や新しい運動器具、ISS用の冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)、NASAの実験ラックなどを「レオナルド」(多目的補給モジュール1)に搭載してISSへ運びます。また、第20次長期滞在クルーのコプラ宇宙飛行士と交代するため、二コール・ストット宇宙飛行士が搭乗します。ミッションの最新情報は以下のサイトをご覧ください。