ISS・きぼうウィークリーニュース第405号
2010年10月19日
トピックス
筑波宇宙センター特別公開開催、多くの来場者でにぎわう
古川宇宙飛行士の講演の様子(出典:JAXA)
HTVに関する講演の様子(出典:JAXA)
宇宙実験ショーの様子(出典:JAXA)
10月16日、平成22年度「宇宙の日」筑波宇宙センター特別公開が行われ、10,209名の多くの皆様にご来場いただきました。
特別公開では、米国ヒューストンと筑波宇宙センターを結んで、古川宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在に向けた訓練の内容などを紹介する講演をライブ中継で行ったほか、「Made in Japan の宇宙船」と題し、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)2号機リードフライトディレクタの田邊宏太主任開発員(HTVプロジェクトチーム)が、HTVに関する講演を行いました。
また、普段は見ることのできない「きぼう」運用管制室や「きぼう」実験運用管制室、HTV運用管制室、宇宙飛行士訓練設備などの公開が行われました。
そのほか、おなじみの宇宙実験ショーの開催や、宇宙飛行士がロボットアーム操作訓練時に使用した3D映像を体験できるコーナー、認定証がもらえる宇宙ステーション&宇宙実験クイズコーナーなどが設けられ、宇宙開発の最前線を体感していただいた1日となりました。
インフォメーション
古川宇宙飛行士のISS長期滞在におけるイベントなどの募集のお知らせ
JAXAは、ISSに約6ヶ月間の予定で長期滞在する古川宇宙飛行士に「きぼう」で試して欲しい「宇宙ふしぎ実験」および「宇宙医学にチャレンジ!」のアイデアを募集しています。応募締切りは11月30日(火)です。
また、古川宇宙飛行士がISS長期滞在中にISS・「きぼう」で行う交信イベント(教育およびメディア)、および映像収録企画について、企画提案を募集しています。こちらの応募締切りは2011年1月4日(火)です。
それぞれの募集の詳細についてはホームページをご覧ください。多くの皆様のご応募をお待ちしております。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から866日経過しました
Hydro Tropi実験開始、JAXA PCG実験などを引き続き実施
「きぼう」日本実験棟船内実験室では、細胞実験ラックの細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)で、10月19日から「微小重力下における根の水分屈性とオーキシン制御遺伝子の発現」(Hydro Tropi) 実験を開始しました。実験は10月22日まで実施され、実験サンプルは、米国時間11月1日の打上げを目標としているSTS-133(ULF5)ミッションで地上に回収される予定です。
Hydro Tropi実験では、微小重力環境におけるキュウリの芽生えを使用して、植物の根の伸び方に水分が与える影響を調べることを目的としています。根が水分に反応する仕組みを解明することで、その性質を利用して根が伸びる方向を水分でコントロールすることができ、将来の宇宙における植物工場などへの応用が期待されます。
また、流体実験ラックの蛋白質結晶生成装置(Protein Crystallization Research Facility: PCRF)では、「タンパク質結晶生成実験」(JAXA PCG)の3回目が引き続き行われています。
「デスティニー」(米国実験棟)の冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)で行っていた2次元ナノテンプレート作製実験は10月15日で終了しました。実験サンプルはSTS-133(ULF5)ミッションで地上に回収される予定です。
また、流体実験ラックの溶液結晶化観察装置(Solution Crystallization Observation Facility: SCOF)で行っていた「ファセット的セル状結晶成長機構の研究」(FACET)実験の高精度データ取得は10月17日で終了しました。
「きぼう」船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用が続けられています。なお、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)は、観測運用の再開に向けた作業が引き続き進められています。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4351日経過しました
第25次長期滞在クルー
ダグラス・ウィーロック(NASA)、シャノン・ウォーカー(NASA)、フョードル・ユールチキン(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は123日、スコット・ケリー(NASA)、アレクサンダー・カレリ(ロシア)、オレッグ・スクリポチカ(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は10日経過しました。
クルーは37Pの分離や40Pの到着に向けた準備などを実施
キューポラで作業するケリー宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
第25次長期滞在クルーは、科学実験やメンテナンス作業のほか、米国時間10月25日に予定されているプログレス補給船(37P)の分離に向けて、不要品などを37Pに積み込む作業や、米国時間10月30日に予定されているプログレス補給船(40P)の到着に向けた準備、STS-133(ULF5)ミッションに向けた作業の確認などを行いました。
また、ケリー宇宙飛行士ら新たにISS長期滞在を開始したクルー3名は、ISS到着後に行う作業の一環として、これまでISSに滞在していたウィ―ロック宇宙飛行士とともに、緊急事態発生時の対応手順や避難ルートの確認などを、地上のコントロールセンターとの交信を交えながら実施しました。