ISS・きぼうウィークリーニュース第331号
2009年2月17日
スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119)の準備状況
ディスカバリー号の打上げ目標日は米国時間2月27日以降
ミッションに向けた訓練で宇宙服を着用した若田宇宙飛行士
米国時間2月13日、NASAは、若田宇宙飛行士の搭乗するスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119)の打上げ目標日を2月27日以降とする旨発表しました。
この変更は、ディスカバリー号のメインエンジンの水素ガス加圧ライン流量調節弁(Flow Control Valve: FCV)が飛行に問題がないことを確認するため、更に時間が必要と判断されたことによるものです。
今後、飛行に向けた準備状況が順調であれば、同2月20日に飛行準備審査会(Flight Readiness Review: FRR)を開催し、正式な打上げ日時を決める予定です。
ミッションの最新情報や詳細については以下のページをご覧ください。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から257日経過しました
氷結晶成長実験を実施、「きぼう」初となるライフサイエンス実験は実施日程を調整中
「きぼう」日本実験棟では、「氷結晶成長におけるパターン形成(Ice Crystal)」の実験が、2月9日から13日にかけて行われ、予定していた氷の結晶成長過程のデータが順調に取得されました。
この実験は、対流のない微小重力ならではの環境を使って氷の結晶を成長させ、その様子を観察することで、氷の結晶成長過程に対する理解を深めるとともに、金属など他の多くの物質の結晶成長の仕組みを理解することにもつながり、より高品質な結晶成長の手法の確立などに役立つことが期待されます。
宇宙放射線が細胞に与える影響を調べるふたつのライフサイエンス実験「哺乳動物培養細胞における宇宙環境曝露(船内実験室)後のp53調節遺伝子群の遺伝子発現(Rad Gene)」および「ヒト培養細胞におけるTK変異体のLOHパターン変化の検出(LOH)」は、スペースシャトル・ディスカバリー号(STS-119)の打上げが再度延期されたため、日程の調整を行っています。
ふたつの実験ではともに、宇宙で培養した細胞をディスカバリー号で地上に持ち帰るため、持ち帰るタイミングで有効な実験成果が得られるよう、STS-119ミッションに合わせて実施日程が調整されます。
なお、STS-119ミッション中には、細胞の分化と形態形成に重力が与える影響について調べるもうひとつのライフサイエンス実験「両生類培養細胞による細胞分化と形態形成の調節(Dome Gene)」が行われる予定です。
実験の詳細や今後の予定については以下のページをご覧ください。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3742日経過しました
宇宙日本食などを搭載したプログレス補給船(32P)がISSにドッキング
宇宙日本食の鮭のおにぎり
宇宙日本食のサバの味噌煮
第18次長期滞在クルーのISS滞在は、マイケル・フィンク、ユーリ・ロンチャコフ両宇宙飛行士は126日、サンドラ・マグナス宇宙飛行士は93日が経過しました。
クルーは、STS-119ミッションで予定されている船外活動に向けた船外活動用工具の準備や、プログレス補給船(32P)到着後の搭載品の取出しや整理などを行いました。
プログレス補給船(32P)は、2月13日午後4時18分にISSへドッキングしました。
32Pには、JAXAが用意したデジタルホルター心電計が搭載され、若田宇宙飛行士がISS長期滞在中に被験者として24時間心電図を記録し、記録されたデータを地上で診断します。併せて、心電計の電極装着部位の確認や、電極取外し後の皮膚の状態をHDTVカメラを用いて地上から遠隔診断することで、軌道上の遠隔医療の技術検証を行います。
また、鮭のおにぎりやサバの味噌煮など、宇宙日本食20品目が搭載され、軌道上で若田宇宙飛行士ら第18次/第19次長期滞在クルーに提供されます。