今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から138日経過しました
マランゴニ対流実験、第1シリーズの実験データ取得終了
「きぼう」日本実験棟では、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:諏訪東京理科大学 河村洋教授)の実験が順調に行われ、第1シリーズの実験データ取得が終了しました。
10月15日から16日にかけての実験では、液柱の内部に混入した気泡が柱状となり、内部に空気の柱ができた液柱(二重液柱)が形成されたため、二重液柱内に発生するマランゴニ対流の観測を行いました。また、10月17日には、液柱を意図的に分離させて液滴にし、温度差のある液滴を接触させても融合しない「液滴ベアリング」と呼ばれる現象の観測を行いました。今後、実験セル内部の清掃などを行い、平成21年5月から開始される予定の第2シリーズに向けた準備を行う予定です。
また、「きぼう」では、次の科学実験である「氷結晶成長におけるパターン形成」(代表研究者 :北海道大学 古川義純教授)の実験が11月下旬から開始される予定です。この実験は、熱対流の生じない微小重力環境で氷の結晶成長過程を観察することで、多くの物質の結晶成長の仕組みを理解することにも役立ちます。
「きぼう」ロボットアームの機能確認試験を実施
10月19日、ロボットアームの較正などを行うため、船内保管室外壁のターゲットを船外実験装置に見立ててロボットアームを動かし、ロボットアームの手首カメラの画像からターゲットとの距離を測定する試験を行いました。
ロボットアームは、STS-127(2J/A)ミッションにて、曝露実験装置を船外パレットから船外実験プラットフォームに移設する際に使用します。 ロボットアームの機能に問題がないことを確認するため、 STS-127(2J/A)ミッションの打上げ前までに種々の機能確認試験を行う予定です。