今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から1692日経過しました
マランゴニ対流実験やMCEのミッション機器の運用などを引き続き実施

軌道上の「きぼう」船内実験室(写真中央は作業中のトーマス・マーシュバーン宇宙飛行士)(出典:JAXA/NASA)

マランゴニ対流実験で生成された液柱の画像(2012年6月撮影)(出典:JAXA/横浜国立大学/東京理科大学)
「きぼう」日本実験棟船内実験室では、流体実験ラックの流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)を使用して、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(Marangoni Exp/MEIS)実験の第5シリーズを引き続き行っています。本実験は2月中旬頃まで実施する計画です。
マランゴニ対流実験では、FPEF内部にシリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、マランゴニ対流を発生させ、液柱内部の流れの変化やそれに伴う温度分布の変動を調べます。シリコーンオイルには極々小さな粒子(トレーサ粒子)が均一に混ぜられており、トレーサ粒子の動きから流れのパターンを視覚的に確認することができます。
勾配炉実験ラックの温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)では、「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究」(Hicari)実験の準備作業を継続しています。
「きぼう」船外実験プラットフォームでは、ポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載した5種類のミッション機器による実験運用を継続しています。
また、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)と全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)の後期運用が続けられています。
【Pick Up】宇宙での活動領域を拡げるために~REX-J実験提案者インタビュー公開中

REX-J 実験装置(MCEに搭載する前)(出典:JAXA)
JAXAホームページにて、ポート共有実験装置(MCE)に搭載した5つのミッション機器のひとつ「EVA支援ロボットの実証実験」(REX-J)に関するインタビューを公開中です。実験提案者の小田光茂 東京工業大学大学院教授が、宇宙ロボット「REX-J」の概要や実験の目的、日本の宇宙ロボット技術などについて分かりやすく説明しています。
また、REX-J特設サイトでは、軌道上で順調に進行中のミッションの最新情報を掲載していますので、ぜひご覧ください。