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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第516号

2013年1月22日

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から1692日経過しました

マランゴニ対流実験やMCEのミッション機器の運用などを引き続き実施

軌道上の「きぼう」船内実験室(写真中央は作業中のトーマス・マーシュバーン宇宙飛行士)(出典:JAXA/NASA)

軌道上の「きぼう」船内実験室(写真中央は作業中のトーマス・マーシュバーン宇宙飛行士)(出典:JAXA/NASA)

マランゴニ対流実験で生成された液柱の画像(2012年6月撮影)(出典:JAXA/横浜国立大学/東京理科大学)

マランゴニ対流実験で生成された液柱の画像(2012年6月撮影)(出典:JAXA/横浜国立大学/東京理科大学)

「きぼう」日本実験棟船内実験室では、流体実験ラックの流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)を使用して、「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(Marangoni Exp/MEIS)実験の第5シリーズを引き続き行っています。本実験は2月中旬頃まで実施する計画です。

マランゴニ対流実験では、FPEF内部にシリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、マランゴニ対流を発生させ、液柱内部の流れの変化やそれに伴う温度分布の変動を調べます。シリコーンオイルには極々小さな粒子(トレーサ粒子)が均一に混ぜられており、トレーサ粒子の動きから流れのパターンを視覚的に確認することができます。

勾配炉実験ラックの温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)では、「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究」(Hicari)実験の準備作業を継続しています。

「きぼう」船外実験プラットフォームでは、ポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載した5種類のミッション機器による実験運用を継続しています。

また、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)の後期運用が続けられています。



【Pick Up】宇宙での活動領域を拡げるために~REX-J実験提案者インタビュー公開中
REX-J 実験装置(MCEに搭載する前)(出典:JAXA)

REX-J 実験装置(MCEに搭載する前)(出典:JAXA)

JAXAホームページにて、ポート共有実験装置(MCE)に搭載した5つのミッション機器のひとつ「EVA支援ロボットの実証実験」(REX-J)に関するインタビューを公開中です。実験提案者の小田光茂 東京工業大学大学院教授が、宇宙ロボット「REX-J」の概要や実験の目的、日本の宇宙ロボット技術などについて分かりやすく説明しています。

また、REX-J特設サイトでは、軌道上で順調に進行中のミッションの最新情報を掲載していますので、ぜひご覧ください。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから5177日経過しました

第34次長期滞在クルー

ケビン・フォード(コマンダー、NASA)、オレッグ・ノヴィツキー(ロシア)、エヴゲニー・タレルキン(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は89日、クリス・ハドフィールド(CSA)、トーマス・マーシュバーン(NASA)、ロマン・ロマネンコ(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は31日経過しました。

50Pの到着に備えたISSのリブーストを実施、RRM実験装置の運用を継続

「デスティニー」(米国実験棟)で作業するフォード宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

「デスティニー」(米国実験棟)で作業するフォード宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

第34次長期滞在クルーのフォード宇宙飛行士らは、科学実験やメンテナンス作業など、6名体制での国際宇宙ステーション(ISS)運用を継続しています。

1月17日、プログレス補給船(49P)のスラスタ(小型のエンジン)を使用したISSのリブースト(軌道上昇)が行われ、ISSの平均軌道高度は0.83km上昇して約411kmとなりました。

今回のリブーストは、プログレス補給船(50P)の到着に備えて実施されました。50Pは2月11日にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、打上げから約6時間後にISSへドッキングする計画です。

そのほか、軌道上では、地上からの遠隔操作により、「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)を使用して、ロボットによる燃料補給ミッション(Robotic Refueling Mission: RRM)実験装置の運用が引き続き行われています。

RRM実験装置は、燃料が尽きた人工衛星に軌道上で燃料を補給することで人工衛星の寿命を延長するための技術実証を目的とした実験装置です。

インフォメーション

Mission X オランダ中継特別ミッションに参加する小学生を募集中!

ミッションに登場する向井宇宙飛行士(左)、アンドレ・カイパース宇宙飛行士(右)(出典:JAXA/NASA)

ミッションに登場する向井宇宙飛行士(左)、アンドレ・カイパース宇宙飛行士(右)(出典:JAXA/NASA)

世界各地の8歳~12歳の児童が宇宙飛行士の健康管理を題材とした体験型共通プログラムに取り組んで交流し、食事や運動習慣の大切さを学ぶ「Mission X ~宇宙飛行士のように心身を鍛えよう~」のオランダ中継特別ミッション「向井宇宙飛行士と一緒に、世界と、宇宙とつながろう!」を、2月8日(金)に東京ウィメンズプラザ(東京都渋谷区)で開催します。

本ミッションに参加する小学生(3年生~6年生)を募集中です。向井宇宙飛行士、オランダのアンドレ・カイパース宇宙飛行士、そしてオランダの小学生たちとともに「Mission X」を学ぶ貴重な機会です。詳細はホームページをご覧ください。皆様のご参加をお待ちしています。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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