きぼうトピックス
「きぼう」船内実験室運用開始から68日経過しました
文化・人文社会科学利用パイロットミッションを「きぼう」で実施!
8月12日、「きぼう」での科学実験の開始に先駆けて、今年6月に選定された文化・人文社会科学利用パイロットミッションのひとつである「宇宙モデリング(粘土を用いた造形)」が「きぼう」船内実験室内で行われました。このミッションでは、シャミトフ宇宙飛行士が手びねりにより紙粘土で“ひとがた”を制作しました。この作品と記録映像は今年11月のSTS-126(ULF2)ミッションで地上に回収される予定です。
実験装置の機能確認を実施。科学実験開始は8月21日以降
細胞実験ラックが8月5日に起動されました。その後、ラック内の細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility:CBEF)が起動され、初期検証用試料を組み込んだ実験供試体をCBEFへ搭載し、恒温機能などの飼育環境制御や画像取得機能の確認を行いました。初期検証用試料のシロイヌナズナの発芽や、カブトエビがふ化している映像を確認し、実験装置が正常に動作していることが確認できました。
CBEFは、温度、湿度や二酸化炭素濃度を一定に保ち、実験に使用する細胞の培養や植物の成長に最適な環境を提供するための装置で、微小重力環境の培養室と、重力をコントロールできる回転テーブルがついた培養室があり、ふたつの環境を比較しながら実験を行えることが大きな特徴です。
そのほか、流体実験ラックの溶液結晶化観察装置(Solution Crystallization Observation Facility:SCOF)やタンパク質結晶生成装置(Protein Crystallization Research Facility:PCRF)の機能確認作業が行われました。
今週は、8月21日以降の実験開始に向けて流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility:FPEF)の準備が行われます。FPEFは「きぼう」で最初に行われる科学実験のマランゴニ対流実験で使用されます。