今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から103日経過しました
マランゴニ対流実験順調、文化・人文社会科学利用パイロットミッション実施
「きぼう」日本実験棟では、 8月22日より「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程」(代表研究者:諏訪東京理科大学 河村洋教授)が順調に行われています(第1シリーズとして、10月下旬まで実施予定)。
また、同9月9日には、文化・人文社会科学利用パイロットミッションの「水の球を用いた造形実験(京都市立芸術大学 藤原隆男教授)」および「墨流し水球絵画(筑波大学 逢坂卓郎教授)」が無事行われました。右の写真は、その時に取得された静止画です。
「水の球を用いた造形実験」は、直径約8cmの水球に振動を与え、共鳴による美しい形を創造する試みです。また、「墨流し水球絵画」は、直径約8cmの水球に、東洋で生まれた墨流し技法を用いて、地球大気に見られる雲の流れのような美しい模様を7種類のインクでつくるものです。いずれもシャミトフ宇宙飛行士が担当しました。この活動を撮影した映像の詳細を記録したテープは、STS-119(UFL2)ミッションで地上に持ち帰る予定です。この芸術利用に込められた教授のコメントを以下のページに掲載しておりますので、ご覧ください。
ハリケーン「アイク」の影響で「きぼう」の実験は一時中断
国際宇宙ステーション(ISS)の運用は、ハリケーン「アイク」通過の影響でNASAジョンソン宇宙センター(JSC)が閉鎖されたため、バックアップ管制センターであるNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)で行われています。
「きぼう」では、安全対策として、実験ラックや内部照明など一部のシステム機器の電源が落とされました。「きぼう」での実験に必要なコマンドは、筑波宇宙センター(TKSC)の「きぼう」運用管制室からJSC内のミッションコントロールセンターを経由して送信されているため、「きぼう」での実験は一時的に中断されました。「きぼう」での実験は、JSCが通常の運用体制に戻った後に再開される予定です。