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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第476号

2012年4月 3日

トピックス

航空機による学生無重力実験コンテストで選ばれたチームが実験を実施

「第9回航空機による学生無重力実験コンテスト」に参加する学生チームの皆さん

「第9回航空機による学生無重力実験コンテスト」に参加する学生チームの皆さん

マレーシアとタイから参加した学生チームの皆さん

マレーシアとタイから参加した学生チームの皆さん(出典:Science Media Department,NSTDA)

JAXAは、宇宙環境利用への理解・関心を深めるとともに、将来の宇宙開発を担うべき人材の育成に寄与することを目的として、学生無重力実験コンテストを開催しています。

このコンテストは、学生の皆さんから、航空機を放物線飛行(パラボリックフライト)させることで作り出せる約20秒間の無重力(微小重力・無重量)環境で実施してみたい実験のアイデアを募集し、選定されたチームが自ら実験装置を製作し、航空機に搭乗して無重力状態を体験しながら実験を行うもので、2011年度は第9回目となります。今回は2011年9月21日から10月23日の間で実験テーマの募集を行い、多数の応募が寄せられました。

3月14日から27日にかけて、日本国内から選ばれた5チームと、マレーシアとタイから選ばれたそれぞれ1チームの学生の皆さんが、各チーム2回の無重力実験に挑みました。各チームの実験結果は6月までに纏められ、JAXAホームページに掲載されるほか、専門分野の学会でも発表されます。

インフォメーション

星出宇宙飛行士と話そう! 筑波宇宙センター特別公開、4月21日(土)開催

「さあ行こう!宇宙に一番近い場所」をキャッチフレーズに、今年も「科学技術週間」筑波宇宙センター特別公開を4月21日(土)に開催します。

当日は、日本に帰国予定の星出宇宙飛行士が「春の宇宙講演会」に登壇します。星出宇宙飛行士に質問するチャンスもありますので、ぜひ会場にお越しください。

ほかにも、JAXA職員による「こうのとり」などをテーマとした講演、「きぼう」/HTV運用管制室や宇宙飛行士訓練設備の特別公開など、盛りだくさんのイベントを用意してお待ちしています。詳細はホームページをご覧ください。多くの皆様のご来場をお待ちしています。

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から1398日経過しました

Hicari実験の準備作業を実施、船外実験装置の観測運用などを継続

「きぼう」日本実験棟船内実験室では、勾配炉実験ラックの温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)で、「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究」(Hicari)実験の準備作業を3月28日から実施しています。

Hicari実験は、JAXAが開発した結晶成長方法であるTLZ法(温度勾配で溶液濃度を制御する方法)を宇宙実験に適用し、規則正しい分子配列の結晶を作り、高性能半導体開発の基礎データを取得することを目的としており、半導体産業や光通信技術への貢献が期待されます。

また、4月4日から6日にかけて、細胞実験ラックの細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)で、「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析」(CsPINs)実験の第3シリーズを行う予定です。

CsPINs実験では、キュウリの芽生えを用いて、植物の根の伸び方を制御する植物ホルモン「オーキシン」の動きと分布に関わる2種類のPINタンパク質(CsPIN1とCsPIN5)の働きについて調べます。

「きぼう」船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(Superconducting Submillimeter-Wave Limb-Emission Sounder: SMILES)の後期運用が続けられています。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから4883日経過しました

第30次長期滞在クルー

ダニエル・バーバンク(コマンダー、NASA)、アントン・シュカプレロフ(ロシア)、アナトーリ・イヴァニシン(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は139日、オレッグ・コノネンコ(ロシア)、アンドレ・カイパース(ESA)、ドナルド・ペティット(NASA)宇宙飛行士のISS滞在は101日経過しました。

ATV3がISSへ到着、ISSからの電力供給の問題が発生するも、無事解決


ISSへドッキングするATV3(出典:JAXA/NASA)

ISSへドッキングするATV3(出典:JAXA/NASA)

3月23日にフランス領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げられた欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)3号機(ATV3)「エドアルド・アマルディ」は、3月29日午前7時31分にISSへドッキングしました。

なお、ドッキング完了後、ATV3にISSからの主系の電力が供給されない問題が発生しましたが、4月1日午前1時頃にATV3とISS間の電力供給ルートを主系から従系(冗長系)に切り替える作業が実施され、同日午前2時頃、ISSからATV3への電力供給が開始されました。

第30次長期滞在クルーのバーバンク宇宙飛行士らは、電力供給ルートの切り替えができずATV3がISSから分離する場合に備え、優先度の高い搭載物をATV3から運び出す作業に本来は休日である土曜日(軌道上の3月31日)を費やしましたが、電力供給ルートの切り替えが問題なく行われたため、代替の休日を月曜日(軌道上の4月2日)に取得しました。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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