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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第499号

2012年9月19日

トピックス

「こうのとり」3号機は9月14日に大気圏へ再突入し、ミッションを完遂

「こうのとり」3号機の分離に向けた作業を行う星出宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

「こうのとり」3号機の分離に向けた作業を行う星出宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

「こうのとり」3号機内で記念撮影する星出宇宙飛行士ら(出典:JAXA/NASA)

「こうのとり」3号機内で記念撮影する星出宇宙飛行士ら(出典:JAXA/NASA)

SSRMSにより放出ポイントに運ばれる「こうのとり」3号機(出典:JAXA/NASA)

SSRMSにより放出ポイントに運ばれる「こうのとり」3号機(出典:JAXA/NASA)

宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)は、9月14日午後2時27分頃に大気圏へ再突入し、約56日間にわたるミッションを終了しました。

「こうのとり」3号機は、9月12日から13日にかけて、星出宇宙飛行士ら国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在クルーが操作するISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)により「ハーモニー」(第2結合部)から取り外され、放出ポイントまで運ばれた後、SSRMSから放出されました。

なお、放出時にSSRMSから初速が与えられたことにより、「こうのとり」3号機がISSへの衝突の可能性を検知して衝突回避マヌーバ(アボート)が自動で実施され、当初の計画と異なる軌道に投入されました。

その後、機体の健全性に問題ないことが確認されたため、計画軌道復帰を目的とした軌道制御が行われ、「こうのとり」3号機は当初の計画通りISS軌道を離脱し、大気圏へ再突入しました。

「こうのとり」3号機に搭載した再突入データ収集装置(i-Ball)による、再突入時の機体破壊時の温度・加速度などの各種データや静止画データの取得の試みは成功しました。これらのデータは、宇宙機の破壊現象の解明に活用され、再突入の安全性向上に寄与するとともに、再突入帰還機の研究・開発にも反映されます。


野口宇宙飛行士、6日間にわたるESAのCAVES訓練を終了

訓練に参加する野口宇宙飛行士ら(出典:ESA-V.Crobu)

訓練に参加する野口宇宙飛行士ら(出典:ESA-V.Crobu)

野口宇宙飛行士は、9月7日から6日間にわたりイタリアのサルディニア島で実施された欧州宇宙機関(ESA)のCAVES訓練に、NASA、ロシア、ESAおよびカナダ宇宙庁(CSA)の宇宙飛行士とともに参加しました。

CAVES訓練とは、洞窟の中での生活を通して、宇宙での長期滞在に必要な協調性や自己管理能力などの向上を目的とした訓練です。

野口宇宙飛行士ら6名は、極限の衛生状態であり、太陽の光もささず自然の時間の流れがわからない洞窟の中で6日間生活をともにし、様々な探査ミッションを遂行しました。

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から1567日経過しました

MCE搭載装置の動作確認実施中、「スペースラボ」ライブ映像の配信開始

「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームでは、ポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載した「地球超高層大気撮像観測」(IMAP)「スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ」(GLIMS)の装置を起動し、動作確認を行っています。

IMAP実験は、地球超高層(高度80km以上)における大気光とプラズマ共鳴散乱光のふたつの光学現象を、可視、近赤外、極端紫外の3つの波長域で観測し、地球大気と宇宙空間の境界領域において発生する擾乱の物理機構を解明することを目的としています。

GLIMS実験は、CMOSカメラやVLF受信機などを用いて、雷放電およびスプライト現象(落雷に伴い高度40~90kmの上空で発光する現象)を観測し、それらの現象について様々なデータを取得することを目的としています。

宇宙教育実験「スペースラボ」にて、最優秀賞に選ばれたふたつのテーマを国際宇宙ステーション(ISS)で実施する様子のライブ映像が、「スペースラボ」のホームページで配信開始されました。ぜひご覧ください。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから5052日経過しました

第33次長期滞在クルー

サニータ・ウィリアムズ(コマンダー、NASA)、ユーリ・マレンチェンコ(ロシア)、星出彰彦(JAXA)宇宙飛行士のISS滞在は64日経過しました。

30Sはカザフスタン共和国へ無事着陸、星出宇宙飛行士らは3名体制に

30Sの帰還モジュールに記念のサインをするアカバ宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/Carla Cioffi)

30Sの帰還モジュールに記念のサインをするアカバ宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/Carla Cioffi)

ゲナディ・パダルカ、ジョセフ・アカバ、セルゲイ・レヴィン宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船(30S)は、9月17日午前8時09分に国際宇宙ステーション(ISS)から分離し、同日午前11時53分にカザフスタン共和国へ無事着陸しました。パダルカ宇宙飛行士らのISS滞在期間は約123日でした。

なお、30Sには「きぼう」船内の宇宙放射線計測(Area PADLES)で使用した受動積算型宇宙放射線線量計が搭載され、地上へ回収されました。

パダルカ宇宙飛行士らをISSから送り出し、第33次長期滞在クルーとなった星出宇宙飛行士らは、新たなクルーが到着するまでの間、3名体制でISSを運用します。

新たに第33次長期滞在クルーに加わるケビン・フォード(NASA)、オレッグ・ノヴィツキー(ロシア)、エヴゲニー・タレルキン(ロシア)宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船(32S)は、10月下旬頃にカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる計画です。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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