ISS・きぼうウィークリーニュース第317号
2008年11月 4日
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から152日経過しました
宇宙ステーション補給機(HTV)の近傍通信システム(PROX)の第1回確認試験、順調に終了
HTVのISSへの接近イメージ
宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)がISSに接近/ランデブするために必要な近傍通信システム(Proximity Communication System: PROX)というシステムがあります。PROXは「きぼう」船内実験室に設置され、ISSに接近したHTVと直接無線通信を行うほか、ISSとHTV間の相対距離/相対速度を計測する機能があります。
このPROXの第1回確認試験が10月27日から31日にかけて行われました。この試験は、地上、HTV、ISS間の通信機能を確認するもので、HTV技術実証機(初号機)打上げまでに4回計画されています。
「きぼう」船内実験室内の衛星間通信システムラックに搭載されたPROXを起動し、地上からの擬似コマンド受信や、模擬HTVからの信号をPROXを通して地上に送信できるかなどの試験を行い、通信機能、相対距離/相対速度計測機能を確認しました。
第2回の確認試験は、PROXのGPS航法データ処理機能の確認などを行うため、STS-126ミッション中にPROX GPSアンテナが船内保管室外壁に取り付けられたのち、STS-126ミッション終了後の12月に行われる予定です。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3637日経過しました
STS-126ミッションに向けて、ISSでも準備作業進行中
SSRMSを操作するフィンク宇宙飛行士(提供:NASA)
第18次長期滞在クルーのISS滞在は、マイケル・フィンク、ユーリ・ロンチャコフ両宇宙飛行士は21日、グレゴリー・シャミトフ宇宙飛行士は154日経過しました。
米国時間10月29日から30日にかけて、クルーはISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の機能確認作業を行いました。この作業はSTS-126ミッション中に使用するSSRMSの機能が正常か確認するためのもので、SSRMSの各関節の動きや手に相当する両端のエンドエフェクタの機能に問題がないことを確認しました。
スペースシャトル・エンデバー号(STS-126)の準備状況
エンデバー号の打上げは11月15日に決定
TCDTを終えたSTS-126クルー(提供:NASA)
NASAは、米国時間10月30日に行われた飛行準備審査会(Flight Readiness Review: FRR)において、スペースシャトル・エンデバー号(STS-126ミッション)の打上げを11月15日に行うことを正式に決定しました。
STS-126ミッションでは、ISS滞在クルーを3名から6名体制とするために必要な装置などを、「レオナルド」(多目的補給モジュール)に搭載してISSへ運びます。また、第18次長期滞在クルーのシャミトフ宇宙飛行士と交代するため、サンドラ・マグナス宇宙飛行士が搭乗します。
STS-126クルーは、NASAケネディ宇宙センター(KSC)で、打上げ時の手順確認や緊急脱出訓練などを行うターミナル・カウントダウン・デモンストレーション・テスト(Terminal Countdown Demonstration Test: TCDT)終了後、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)に戻り、最後の訓練を行っています。米国時間11月11日には再びKSCに移動し、打上げに臨む予定です。
インフォメーション
11月20日、ISSは10周年を迎えます
1998年11月20日、ISS最初の構成要素「ザーリャ」(基本機能モジュール)がカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から、ロシアのプロトンロケットにより打ち上げられ、2008年11月20日で10周年を迎えます。
スペースシャトル、ソユーズロケット、プロトンロケットなどにより、ISS組立のためにこれまで77回のミッションが行われました。78回目にあたるSTS-126ミッション中には、10周年を記念するイベントが予定されています。