ISS・きぼうウィークリーニュース第323号
2008年12月16日
トピックス
宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機(初号機)の構成要素、初めての全機結合
全機結合したHTV初号機
12月12日、筑波宇宙センター総合環境試験棟では、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)技術実証機(初号機)の全機機能試験に向け、 HTVの構成要素である「補給キャリア与圧部」と「補給キャリア非与圧部」の貨物区画、そして「曝露パレット」、「電気モジュール」、「推進モジュール」全てを結合(全機結合)しました。HTV構成要素の全機結合は初めてのことで、全長約10m、「きぼう」日本実験棟船内実験室とほぼ同じ大きさとなり、JAXAがこれまでに打ち上げた宇宙機の中でも最大級の大きさとなります。
全機機能試験では、機械的・電気的にHTV全機を結合し、配管や電気系統の導通確認など、HTV全体としての確認試験を行います。
HTV初号機は、H-IIBロケットに搭載され、2009年9月以降に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定です。
山崎宇宙飛行士が搭乗するSTS-131(19A)ミッションの宇宙飛行士が決定しました
NASAは、山崎宇宙飛行士を含む、STS-131(19A)ミッションに搭乗する宇宙飛行士7名を発表しました。
STS-131ミッションでは、実験ラックやクルー備品などの補給物資を搭載した多目的補給モジュールをISSへ輸送する予定です。詳細は以下のページをご覧ください。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から194日経過しました
「きぼう」での実験「氷結晶成長におけるパターン形成」は順調に進行中
流体実験ラックのSCOF(枠内)
「きぼう」日本実験棟では、「氷結晶成長におけるパターン形成」(代表研究者:北海道大学低温科学研究所 古川義純教授)の実験が順調に行われています。
この実験は、流体実験ラックの溶液結晶化観察装置(Solution Crystallization Observation Facility: SCOF)と、SCOFに組み込まれた氷結晶成長用実験セルを使用して行われています。SCOFは顕微鏡と干渉計を備えており、結晶の成長過程を詳しく調べることができます。また、実験セル内部にも観察装置が備えられ、異なる方向から結晶を観察することにより、結晶の立体的な形態や温度分布を調べることができます。
実験では、実験セル内部の温度制御された結晶成長セルの中で氷の結晶が形成される様子を詳細に観察し、その厚みや直径、成長速度を計測します。また、結晶周辺の局所的な温度を干渉計を用いて詳細に調べます。結晶成長セル内の温度条件を変化させながら、何度も繰り返し実験を行い、実験データを取得します。
本実験の詳細や、今後の予定については以下のページをご覧ください。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから3679日経過しました
クルーは船外活動の準備を実施
WRSのリークチェックを行うフィンク宇宙飛行士(提供:NASA)
第18次長期滞在クルーのISS滞在は、マイケル・フィンク、ユーリ・ロンチャコフ両宇宙飛行士は63日、サンドラ・マグナス宇宙飛行士は30日が経過しました。
クルーは、水再生システム(Water Recovery System: WRS)の機能確認や、処理された水のサンプルの取得と分析、ISSトイレ(Waste and Hygiene Compartment: WHC)の起動および初期機能確認を行いました。また、12月23日に予定されている船外活動に備え、船外活動で使用する工具などの準備や、宇宙服の整備などを行いました。12月23日の船外活動では、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の外部に欧州宇宙機関(ESA)の曝露実験装置を取り付ける作業などが行われる予定です。