ISS・きぼうウィークリーニュース第458号
2011年11月22日
トピックス
お帰りなさい、古川宇宙飛行士! 27Sはカザフスタン共和国に無事着陸
地上に帰還した古川(右)、セルゲイ・ヴォルコフ(中央)、マイケル・フォッサム(左)宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/Bill Ingalls)
第28次/第29次長期滞在クルーのマイケル・フォッサム、古川聡、セルゲイ・ヴォルコフ宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船(27S)は、11月22日午前8時00分に国際宇宙ステーション(ISS)から分離し、同日午前11時26分にカザフスタン共和国へ無事着陸しました。
古川宇宙飛行士らのISS滞在期間は165日、宇宙滞在期間は167日で、日本人宇宙飛行士による連続宇宙滞在日数の記録を更新しました。
27S帰還に先立ち、11月21日、第29次長期滞在のコマンダーを務めたフォッサム宇宙飛行士が、新たに第30次長期滞在のコマンダーとなるダニエル・バーバンク宇宙飛行士にISSの指揮権を移譲するセレモニーが行われました。
新旧のコマンダーがお互いへの感謝と激励を述べ、古川宇宙飛行士ら第29次長期滞在クルー全員で別れを惜しみました。そして、翌11月22日、27Sに搭乗した古川宇宙飛行士らはISSを離れ、地上へ帰還しました。
古川宇宙飛行士らは27S着陸地点付近の仮設テントで医学検査を受け、健康状態に問題ないことを確認した後、カザフスタン共和国のクスタナイ空港に移動し、帰還を祝うセレモニーに参加しました。
セレモニー終了後、古川、フォッサム両宇宙飛行士は、米国ヒューストンに向けてクスタナイ空港を出発します。その後、古川宇宙飛行士らはNASAジョンソン宇宙センター(JSC)にて、帰還後の医学検査やリハビリを受ける予定です。
【Pick Up】古川宇宙飛行士搭乗の27S帰還に関連するイベントなどのご案内
「お帰りなさい! 古川宇宙飛行士展」の様子(出典:JAXA)
筑波宇宙センターの展示施設「プラネットキューブ」では「お帰りなさい! 古川宇宙飛行士展」を開催しています。
古川宇宙飛行士が宇宙でどのような仕事をしてきたのか、ISSでの生活の様子などを、宇宙食や実験機器などの一部展示をまじえながら、パネルや3D映像でご紹介します。皆様のご来場をお待ちしています。
また、JAXAクラブの「JAXA宇宙検定」では、11月の練習問題として「古川宇宙飛行士ISS長期滞在10問」を公開しています。皆様の挑戦をお待ちしています。
今週のきぼう
「きぼう」船内実験室運用開始から1265日経過しました
GHFの初期動作確認、Area PADLESの取り外し作業などを実施
「きぼう」日本実験棟船内実験室では、勾配炉実験ラックの温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)の初期動作確認を引き続き行っています。GHFの動作確認完了後には、GHFを使用した初の実験である「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究」(Hicari)を開始する予定です。
そのほか、11月20日には「きぼう」船内の宇宙放射線計測(Area PADLES)で使用する受動積算型宇宙放射線線量計を取り外す作業を行いました。この線量計はソユーズ宇宙船(27S)で地上へ回収されました。
今週の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから4750日経過しました
第30次長期滞在クルー
ダニエル・バーバンク(コマンダー、NASA)、アントン・シュカプレロフ(ロシア)、アナトーリ・イヴァニシン(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は6日経過しました。
古川宇宙飛行士らを見送り、クルーはISS第30次長期滞在を開始
バーバンク宇宙飛行士ら3名を乗せたソユーズ宇宙船(28S)は、11月16日午後2時24分に国際宇宙ステーション(ISS)へドッキングしました。古川宇宙飛行士らは新たなISS長期滞在クルーを歓迎するとともに、帰還に備えた引き継ぎ作業などを開始しました。
11月18日、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のエンジンを使用したISSのリブースト(軌道上昇)が行われ、ISSの平均軌道高度は6.22km上昇して約392.6kmとなりました。このリブーストにより、ISSはソユーズ宇宙船(27S)の帰還に適した軌道高度に調整されました。そして11月22日、27Sに搭乗してISSを離れる古川宇宙飛行士らを見送り、バーバンク宇宙飛行士らはISS第30次長期滞在を開始しました。
インフォメーション
第30回宇宙ステーション利用計画ワークショップ開催、参加者募集
JAXAは、東日本大震災により開催を延期していた「第30回宇宙ステーション利用計画ワークショップ」を12月16日(金)午後1時から東京都港区の日本学術会議講堂にて開催します。
今回のワークショップでは、「きぼう」日本実験棟の最新の利用状況や成果のほか、今後の「きぼう」利用の方向性などについて紹介します。また、国際パートナー各国のISSの利用成果や最新の利用計画の紹介を通じて、今後の国際協力ミッションなどについて議論する予定です。
本ワークショップは一般の皆様もご聴講頂けます(参加費無料、先着300名)。プログラムの詳細や参加申し込み方法はホームページをご覧ください。多くの皆様のご参加をお待ちしています。