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ISS・きぼうウィークリーニュース

ISS・きぼうウィークリーニュース第430号

2011年5月10日

トピックス

古川宇宙飛行士は打ち上げに向けた最終試験に臨む、応援メッセージ募集中

古川宇宙飛行士とソユーズ宇宙船(出典:JAXA/NASA)

古川宇宙飛行士とソユーズ宇宙船(出典:JAXA/NASA)

古川宇宙飛行士は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)にて、6月8日に予定されているソユーズ宇宙船(27S)の打ち上げに向けた最終試験を受けています。今週は、国際宇宙ステーション(ISS)のロシアモジュールに関する試験と、ソユーズ宇宙船のシミュレーション試験を受ける予定です。これらの試験は、それぞれ1日がかりで行われる規模の大きな試験です。

古川宇宙飛行士ISS長期滞在ページでは、ISS長期滞在の開始を間近に控えた古川宇宙飛行士への応援メッセージを募集しています。皆様からのたくさんのメッセージをお待ちしています。

また、もっと古川宇宙飛行士のことを知りたい方へ「古川宇宙飛行士解体新書」を用意しました。古川宇宙飛行士の好きな食べ物やスポーツ、人生観、宇宙への想いや宇宙飛行士を目指した理由、いよいよ始まるISS長期滞在ミッションに向けた抱負など、全32項目についてQ&A形式で紹介します。

そのほか、古川宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションについて詳しく説明したプレスキットなども掲載していますので、ぜひご覧ください。

STS-134ミッションの準備状況

エンデバー号の打ち上げは5月16日午後9時56分に延期


射点のエンデバー号(出典:JAXA/NASA)

射点のエンデバー号(出典:JAXA/NASA)

4月29日に予定されていたスペースシャトル・エンデバー号(STS-134ミッション)の打ち上げは、オービタの補助動力装置(Auxiliary Power Unit: APU)のヒータが起動しなかったため、延期されました。

調査の結果、オービタ後方区画の電力分配箱(Load Control Assembly 2: LCA-2)の故障が原因と判明し、5月3日から4日にかけて、故障したLCA-2を交換する作業が行われました。

NASAは、LCA-2の故障原因の究明や交換後の試験、故障を再発させないための処置などに時間を要するため打ち上げを延期し、5月16日午後9時56分に再設定しました。

今週のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から1069日経過しました

生命科学実験「CsPINs」の最初のシリーズが終了、Hair実験などを実施

「きぼう」日本実験棟船内実験室では、細胞実験ラックの細胞培養装置(Cell Biology Experiment Facility: CBEF)で4月26日から開始した生命科学実験「植物の重力依存的成長制御を担うオーキシン排出キャリア動態の解析」(CsPINs)の最初のシリーズが、4月29日に終了しました。CsPINs実験は、3回のシリーズで合計8回の実験が計画されています。最初のシリーズ(2回分を実施)の実験試料サンプルは、スペースシャトル・エンデバー号(STS-134ミッション)で地上に回収される予定です。

CsPINs実験では、キュウリの芽生えを用いて、植物の根の伸び方を制御する植物ホルモン「オーキシン」の動きと分布に関わる2種類のPINタンパク質(CsPIN1とCsPIN5)の働きについて調べます。オーキシンを制御する仕組みを解明することで、植物の形態形成をコントロールする技術の獲得につながり、植物栽培技術への貢献などが期待されます。

そのほか、5月4日に「長期宇宙滞在宇宙飛行士の毛髪分析による医学生物学的影響に関する研究」(Hair)の一環として、宇宙飛行士の毛髪の採取を行いました。また、5月4日から5日にかけて、「長期宇宙飛行時における心臓自律神経活動に関する研究」(Biological Rhythms)の一環として、心電図の記録などを行いました。

「きぼう」船外実験プラットフォームでは、宇宙環境計測ミッション装置(Space Environment Data Acquisition equipment-Attached Payload: SEDA-AP)全天X線監視装置(Monitor of All-sky X-ray Image: MAXI)の観測運用が続けられています。

今週の国際宇宙ステーション(ISS)

最初のISS構成要素打上げから4554日経過しました

第27次長期滞在クルー

ドミトリー・コンドラティェフ(コマンダー、ロシア)、キャスリン・コールマン(NASA)、パオロ・ネスポリ(ESA)宇宙飛行士のISS滞在は143日、アンドレイ・ボリシェンコ(ロシア)、アレクサンダー・サマクチャイエフ(ロシア)、ロナルド・ギャレン(NASA)宇宙飛行士のISS滞在は34日経過しました。

42PがISSに到着、ATV2を使用したリブーストを実施


ISSに接近する42P(出典:JAXA/NASA)

ISSに接近する42P(出典:JAXA/NASA)

第27次長期滞在クルーは、プログレス補給船(42P)の到着に伴う作業や、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)2号機「ヨハネス・ケプラー」を使用したISSのリブースト(軌道上昇)などに忙しい日々を過ごしました。

4月22日にISSから分離したプログレス補給船(41P)は、軌道上でロシアの科学技術試験を行った後、4月26日夜に軌道離脱を行い大気圏に再突入し、太平洋上に安全に投棄されました。

42Pは、4月27日午後10時05分にロシアのソユーズロケットによりカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、4月29日午後11時28分にISSへドッキングしました。

5月5日、ATV2のスラスタを使用したISSのリブースト(軌道上昇)が行われ、ISSの平均軌道高度は約1km上昇しました。これにより、ISSは今後予定されているソユーズ宇宙船(25S)の帰還に適した軌道高度に引き上げられました。

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。

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