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「きぼう」での実験

クリーンベンチ(CB)

Clean Bench: CB
最終更新日:2018年8月2日

カビもホコリもシャットアウト!

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クリーンベンチ構造図

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チャンバーを操作する古川宇宙飛行士

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液晶ディスプレイに写し出された試料の様子

こんなにキレイなの?

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クリーンベンチ

普段の生活ではあまり気にならないことですが、空気中にはゴミや雑菌がたくさん浮遊しています。NASAの測定基準によると、1立方フィート(1辺が約30cmの立方体の空間)あたり0.5μm以上の粒子(ゴミや雑菌など)の数が、都市の地下街では1000万個、事務室では400万個、地球上で最も空気のきれいな場所である太平洋の真ん中でも7万個あります。生物系の実験室では、扱っている実験試料がカビたり汚染されては実験になりませんので、クリーンな環境を保つようになっています。

さらに細胞を培養したり、バイオテクノロジー実験を行うときには、ホコリが100~1000個の環境で実験操作を行います。このようなキレイな環境を提供するのがクリーンベンチで、外界と遮断された空間をつくり、クリーンベンチの中で実験を行えば大気からの汚染を防ぐことができます。宇宙でも地上と同じようにキレイな環境で実験ができるように開発されたのが宇宙用のクリーンベンチです。

宇宙でもクリーン

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チャンバー内での作業(地上モデル)

クリーンベンチは、前室と作業チャンバーの2室からできています。無菌状態での実験操作を行う場合の手順を紹介しましょう。最初にクリーンベンチのスイッチを入れ、内部をアルコールと紫外線で殺菌します。そしてHEPAフィルター(超高性能エアフィルター)で浮遊物を除去します。試料や器材を前室から入れ、アルコールで拭いて殺菌します。その後、グローブを使って前室と作業チャンバーの間にある取り出し口から移動させ、HEPAフィルターで入り込んだホコリやカビなどの微粒子を取り除きます。

作業チャンバーは透明素材で作られています。内部照明を点灯させ、宇宙飛行士は内部を直接目で見ながら無菌環境下で実験操作を行うことができます。作業チャンバーは身長150センチから190センチまでどんな身長の宇宙飛行士でも作業がしやすいように、人間工学に基づいて設計されています。また、操作性を向上させるためにグローブには3サイズあります。

宇宙で顕微鏡が使える~位相差・蛍光顕微鏡~

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チャンバー内での作業(地上モデル)

宇宙船内で顕微鏡が使えるため、実験で培養した細胞などのサンプルをすぐ観察することができます。顕微鏡はクリーンベンチ内に入っているため、直接レンズを覗くことはできませんので、宇宙飛行士は、装置の上部についている液晶ディスプレイを見ながら試料の観察を行います。また、顕微鏡は地上からリモートコントロールが可能で、実験画像もリアルタイムで地上に送ることができます。

生物実験をサポート

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顕微鏡映像

クリーンベンチは生物実験をサポートするために、いろいろ便利な機能を持っています。

温度調節とガスモニタができる

温度の調節機能も持っているので、細胞が元気な状態のまま観察できます。また、ガスセンサにより数種類のガスを検知することができます。

市販のカメラで撮影できる

外部からお気に入りのカメラを持ち込んで、画質がよい観察試料の写真を撮影することができます。(FマウントとCマウントに対応)

電源コンセントと監視カメラ

内部に電源コンセントがあるので、生物実験ユニットを持ち込んでコンセントにつないでやれば、クリーンベンチ内で生物を飼育することもできます。また、作業チャンバー内の様子を地上に伝える監視カメラがあり、地上から宇宙飛行士の実験操作をサポートすることができます。

多彩な顕微鏡操作

生物試料を顕微鏡のステージにセットしたら、宇宙飛行士がステージを動かしたり、ピント調整を行うことができます。その操作は、グローブをしたまま作業チャンバー内のスイッチボックスを用いても、また、グローブを外して作業チャンバー外のジョイスティックを使っても行うことができます。


クリーンベンチパンフレット(研究者向け) [PDF:1.44MB]

 
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