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2012年8月24日午後21時10分、「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームのポート共有実験装置(Multi-mission Consolidated Equipment: MCE)に搭載しているミッション機器のひとつである「宇宙インフレータブル構造の宇宙実証(Space Inflatable Membranes Pioneering Long-term Experiments:
SIMPLE)」(代表研究者:東京大学大学院 青木隆平教授)において、世界で初めて、形状記憶ポリマの宇宙曝露環境における伸展(形状回復)実験に成功しました。
形状記憶ポリマが搭載された材料実験パネル(Inflatable Material
Experimental Panel: IMP)には、紫外線硬化樹脂も搭載されており、その宇宙
環境中での太陽光による硬化反応(硬化度に対応する色の変化で確認可能)も同時に確認されました。
形状記憶ポリマは、高分子材料のガラス転移現象を利用した形状記憶材料であり、ガラス転移点以上の温度で、あらかじめ記憶させた形状に回復する機能材料です。SIMPLE実験では、炭素繊維織物で強化した複合材料形態で搭載しており、表面状態を変えた2種類(①そのままの形態、②太陽光を反射させる熱制御フィルムを施したもの)を用いました。①は太陽光のみの加熱で、②はジュール熱を用いた加熱にて、形状回復(伸展)に至りました。
材料実験パネルに搭載された形状記憶ポリマ及び紫外線硬化樹脂については、
半年後に再度機能検証実験を行う他、今後、長期間(最長2年間程度)に亘って、軌道上の変化を観察する予定です。
本実験で機能実証された形状記憶ポリマ、紫外線硬化樹脂は、インフレータブル、構造を支える機能材料として、将来の軌道上や月面での大型構造物への適用が期待されます。
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