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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

補給船、迎え入れ準備

2018年9月13日

地上では、こうのとり7号機の打上げに向けての準備が進められていますが、軌道上の国際宇宙ステーションでも、宇宙飛行士による受け入れ準備が行われているハズです。
運ばれてくる大量の荷物を効率良く運び入れるための整理や場所づくりは、もちろんなのですが、今日はもう少し技術的な、ロボットアームの操作についてお話しをしたいと思います。

補給宇宙船に関わるオペレーションで、宇宙飛行士にとって一番難しい任務が、巨大なロボットアームを使って宇宙船を捕獲する、「キャプチャー」と呼ばれる作業です。
ロボットアームの全長は17メートルもあるのですが、把持部と呼ばれる部分で宇宙船に取り付けられたピンを捕まえるための誤差は10センチくらいしか許されないので、本当に繊細な操縦技術が求められるのです。
このため、宇宙ステーションには、ロボットアーム操縦台のシミュレーターが備え付けられていて、キャプチャーを担当する飛行士は1〜2週間くらい前から毎日のように練習を重ねます。

宇宙ステーションの、ほんの10メートルくらいの場所まで接近した宇宙船は、姿勢制御用の小さいエンジンを使って、ピタッと静止します(実際には宇宙ステーションはすごいスピードで飛行しているので、相対速度がゼロになるようにします)。
その、止まっているかのように見える宇宙船をロボットアームで捕獲するのですが、ロボットアームが近くまで近づいているときに、位置の微調整のためにエンジン噴射をしてしまうと、宇宙船の動きが変わってしまい、最悪の場合はロボットアームと衝突してしまう可能性もありますので、キャプチャーの瞬間には完全にエンジンを遮断した状態にする必要があります。
この状態を「フリードリフト」といいますが、完全にエンジンを遮断し、秒速8キロ(時速ではなく、「秒」速です!)で飛行している宇宙ステーションと10メートルという至近距離に並んで、慣性でフワフワしている16トンの宇宙船・・・想像すると、スゴくないですか?

さすがに、この状態をそのままずっとキープすることは安全上よろしくないので、「こうのとり」の場合は、「フリードリフト」になって99秒以内にキャプチャーを完了しましょう、というルールになっています。
宇宙飛行士の立場ですと、ただでさえ繊細な操作が求められる宇宙船のキャプチャーに、さらに時間のプレッシャーがのしかかることになります。
まあ、ロボットアームを、ゆっくり少しずつ近づけていきながら、補佐役の宇宙飛行士が「フリードリフト」のコマンドを打って、そこから宇宙船の捕獲を完了するまで、せいぜい40〜60秒くらいですから、時間のことは気にしないようにして練習の通りに操縦すれば大丈夫です。

相棒役の宇宙飛行士は、手順書を読みながら地上との交信を行ったり、タイマーを見ながらロボットアームの動くスピードが早かったり遅かったりしないか確認したり、窓の外から肉眼で宇宙船の様子を見て安全をチェックしたりと、操縦役の宇宙飛行士が集中できるように、それ以外の作業をすべて行ってくれます。
この2人一組でのチームワークが良いと、難しい宇宙船キャプチャーの作業ですが、とてもスムーズに安全に行うことができます。

軌道上の宇宙飛行士は、十分な訓練を積んで、今か今かと「こうのとり」の到着を待っているハズです。

(出典:JAXA)

Twitter@Space_Stationに、ちょうど練習中のクルーの写真が投稿されていました。



 
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