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2018年9月10日
ミッションに任命を受けていない状態での、宇宙飛行士としての「地上勤務」が、筑波宇宙センターで始まりました。
一番、待ち遠しかったのが、自分でも意外なのですが、通称・エーティーエフ=ATF(Astronaut Training Facility)=宇宙飛行士養成棟という建屋の中にある、宇宙飛行士のためのトレーニング・ジムでした。
宇宙ステーションでミッションを行っていたときには、毎日2時間半の体力トレーニングを必ずすることが義務付けられていて、おかげで体調はすこぶる良好、毎日元気にさまざまな宇宙実験に励むことができました。
ところが、ミッションを終えて地上に戻ってくると、色々な打ち合せや頼まれごとを受けて、ついつい体力トレーニングをサボりがちです。
特に海外への出張や移動があると時差ボケで体調がおかしくなったり、限られた出張期間中にやらなければいけない業務があって、運動習慣が中断されてしまいます。
おかげでこのところ、疲れやすかったり、心理的にもイライラしやすかったり、体の調子が良くないと感じていました。
もともとは、そんなに筋トレが好きというタイプではないのですが、野菜が足りていないとき無性にサラダが食べたくなるときがあるように、筑波宇宙センターでの勤務が始まったら、ジムに行こうと、何だかムズムズしていました。
ようやくヒューストンからの移動による時差ボケもなくなりましたし、これからは仕事の合間を見つけてトレーニングを続けて、少しずつ体調を整えたいと思います。
そういえば周囲を見渡すと、先輩の宇宙飛行士たちは、忙しい業務の合間を縫って、ちょっとでも時間があると体を鍛えています。
これは人一倍優れた体力や筋力を持つためというよりは、日々のトレーニングを通して、肉体的にも精神的にもベストな体調を維持して、いついかなるときであっても任された仕事に最高の状態で取り組むためのように思われます。
体力トレーニングを通した体調の管理は、宇宙飛行士稼業の最初の一歩と言っても良いかもしれません。
これからの勤務は、宇宙飛行を経験した「一人前」の飛行士としての第一歩。宇宙飛行士を目指したときの初心に戻り、日々の業務に臨みたいと思います。
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