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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

柔軟性に難あり

2018年8月 8日

それほど切実な問題というわけでもないのですが、長期宇宙滞在から戻って、体の柔軟性が落ちたのが気になっています。
元々は、中年男性にしては体が柔らかいほうで、立って膝を伸ばした状態で手のひらを(ほぼ)床につけることができるほどだったのですが、約半年の宇宙飛行ミッションを終えて帰ってきた当初は、立った状態では、腰をかがめて靴ヒモを結ぶことができないくらいになっていました。
骨や筋肉は弱くなる(軌道上で運動をしていれば防げる)という話は聞いていましたが、柔軟性がこれほどまでに落ちるとは聞いたことがなかったので、本当にびっくりしました。

考えてみれば、無重力空間で、床に置いてあるものを手に取るには、体そのものを90度真横にして(床と並行の姿勢になって)、対象物が胸の前にくるようにしてしまうので、わざわざ腰をかがめる必要がありません。
そもそも、体がフワフワ浮いてしまうような状況で、背中や腰を前屈させるようなストレッチは、難しいものがあります。
半年間ほとんど使うことのなかった関節が、固くなって、動かしにくいのは、ある意味当たり前です。

無重力環境では、背中や腰の姿勢をまっすぐに保つための体幹の筋力を鍛えるのが、現状では難しいという問題も関係してそうです。
地上に戻ってきてから、ちょっとの間でもあぐらをかいたり、腰を曲げるような姿勢を取っていると、急にはまっすぐに立つことができません。「よっこらしょ」と掛け声をかけながら、ゆっくりゆっくりと背筋を伸ばして、ようやくまっすぐに立つことができるのです。
まるでコントのようで、自分でも可笑しいのですが、どうしようもありません。

そんなわけで、地球に帰還して2ヶ月が経った今でも、毎日の柔軟ストレッチが大切です(・・・と言いつつ、よく忘れて、やらずに寝てしまうことも多いですが)。
宇宙飛行後のリハビリテーションのノウハウが、病後や高齢者のリハビリに通じるというのを、身をもって感じているところです。
最近は、靴ヒモも立ったまま不自由なく結べますし、立った状態から前屈して手が床につくくらいになってきました。



 
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