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2017年9月27日
昨日は、朝のツール準備の説明だけで終わってしまいました・・・。
プールデッキでツールの準備を終えたら、メディカルチェックです。ミッションをサポートしてくれる専任のJAXA航空医師もいますが、このNBL訓練施設には、潜水医学を専門とする先生が勤務していて、訓練しても大丈夫な健康状態であることを確認してもらいます。無重力を模擬するためにプールに潜りますので、水圧の変化など、ダイビングをするのと同じような負荷がかかるのです。
医学検査が終わると、訓練前のブリーフィング。
宇宙飛行士、インストラクター、水中での作業をサポートしてくれるダイバー、ロボットアームの担当者(なんと、プールの中に、水中用のロボットアームも設置されているのです!)、宇宙服の専門家、潜水医師、施設の安全を管理するマネージャーなど、総勢20~30人くらいもいるでしょうか。その日の訓練の段取りを、要領良く、一つ一つ確認していきます。
全員が意識を統一していないと、実りのある訓練になりませんし、何よりも危険を伴う作業ですから、事故にもつながりかねません。
ブリーフィングを終えたら、宇宙服を着るための準備に入ります。
まずクルーが身につけるのは、冷却用下着。メッシュ状の上下の「つなぎ」ですが、水を通す細い管が張り巡らされています。宇宙服から(水中用の宇宙服は、アンビリカルという生命維持用のホースを通して、NBL訓練施設から)冷たい水が流されて、作業して暑くなる宇宙飛行士の体温を下げる役割があります。
そして大切なのが、「おむつ」。ジョークではありません。いったん訓練が始まると(実際の、宇宙での船外活動でも)、6時間以上、宇宙服の中で過ごさなくてはいけませんので、「おむつ」は必須です。
もじもじ君のような姿(フードはありませんが)でプールデッキに出てくると、スーツ・エンジニアという宇宙服の専門家が、宇宙服の準備をして待っていてくれます。
宇宙服は、上半身と下半身に分離していて、まずは下半身部分をズボンのようにはきます。引き続いて、スタンドに固定された上半身部分に、身をよじるようにして体を潜り込ませます。ボディーの部分は金属製で、内部に出っ張りがあったりするので、上半身部分を着るのは、結構大変なのです。
宇宙服の中に潜り込んだら、ボディーの内側に付いている冷却水を流すためのホースを、冷却下着に接続し、宇宙服の上半身と下半身を接続します。
マイクとイヤホンがついた「コムキャップ」をかぶったら、両手のグローブとヘルメットを装着します。
ここまできたら、水に入るまでもう少し。
アンビリカル・ホースを通して空気(正確には、ダイビング用のナイトロックスという呼吸ガス)を流して、宇宙服を加圧します。宇宙では、宇宙服は4.2psi(だいたい0.3気圧弱)の一定圧力で保たれますが、水中では深さに応じて水圧がかかりますので、水圧+0.3気圧の圧力が保たれるように設定されています。
おかげで、グローブをつけた手を握るのは、握力トレーニングのためのハンドグリップを握るような感じです。
最後に、朝一番で準備したツールを宇宙服に取り付けてもらい、ようやく訓練開始です。
7時から準備を始めても、プールに入水するのは、順調に言っても9時過ぎくらいになります。
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