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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

「きぼう」のシステム:電力系サブシステム

2017年11月 1日

日本実験棟「きぼう」は、国際宇宙ステーションの構成要素の一つで、日本の技術者によって設計され、日本の管制官によって運用されている、日本独自の有人宇宙施設です。

船内で宇宙飛行士が活動を行うために安全・信頼性に配慮しつつ、合理的・効率的な運用が行うことができるよう、工夫を凝らしたデザイン(設計)となっています。

「きぼう」そのものには、電気を作り出すための太陽電池パネルはありませんので、電力はアメリカの太陽電池パネルで作ったものの供給を受けて、「きぼう」船内の様々な機器を動かしています。

この供給元に不具合があった場合に、「きぼう」が全停電してしまうと、宇宙実験の途中でサンプルがダメになってしまう可能性もありますので、A系・B系と二重の「冗長(じょうちょう)設計」となっています。

(実は、もっと厳密に言うと、宇宙ステーションには巨大な太陽電池パネルが8枚ついており、「きぼう」のA系電力はそのうちの2枚から、B系電力は別の2枚から、それぞれ別々に電気の供給を受けており、例えば太陽電池パネルの1枚が故障しても、A系・B系どちらも、それだけでは問題ないような設計になっています)

「きぼう」の中にある重要機器は基本的には2セット用意されており、A系とB系のどちらかから電気を受け取るような設計となっています。

例えば、「きぼう」内部の電灯は、半分がA系から電気を受け、もう半分はB系から電気を受けるようになっています。アメリカ・モジュールの大きな故障により、片系の電力を喪失することがあっても、少なくとも「きぼう」内部の半分の電灯は消えませんので、船内で宇宙飛行士は、落ち着いてシステムを保全するための作業を行うことができます。

同じように、例えば、「きぼう」の制御を行っているメインコンピュータは2台備え付けられており、1つはA系から電力を受け、もう1つはB系の電力を受けるような配線となっています。万一、片側の系が停電となっても、別の系が生きていれば、もう一つのメインコンピュータを使うことで、「きぼう」の制御機能を失わずに、通常と何ら変わらない運用が継続できるのです。

宇宙実験を行っている「実験ラック」については、同じ機器を2つ備え付けているわけではありませんが、A系とB系と両方から電力の供給を受けることができるような配線となっています。

このため、例えば、通常の運用でA系の電気を使って宇宙実験を行っている際に、もしA系電力が遮断された場合には、すぐにB系の電力に切り替えることで、実験を継続して行うことができるのです。

「きぼう」で利用するさまざまな機器の予備品や道具を保管するためのも、「船内保管室」も、「きぼう」の一部として、やはり同じ電力を利用していますが、こちらは普段はB系システムからしか電力を受け取ることができません。

このため、B系の停電が起こった場合には、宇宙飛行士が手動で配線をつなぎ変えて、A系から電力を受け取るような作業を行う必要があります。

いずれにせよ、「きぼう」の電力系システムは、A系・B系と、二重の設計となっているおかげで、少々の不具合が起こっても問題なく、通常通りの運用ができるような信頼性の高いデザインになっているのです。



 
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