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2017年9月11日
宇宙飛行士の訓練の半分以上はヒューストンで行われますが、その主要な部分を占めるのが、「宇宙ステーション」に関するものです。
とにかく巨大で複雑な宇宙船なので、コンピュータ制御システム、電力システム、生命維持システム・・・等々と、系統立てて勉強を行います。
学校で、国語、算数、理科、社会と科目が分かれているのに、ちょっと似ていますね。実際の訓練も、月曜日の8時からコンピュータ制御システムの授業、そのあと10時から電気システムの実習・・・などと、学校の時間割のように決まっていて、宇宙飛行士は、教室や実習場所を移動しながら、訓練を受けていきます。
訓練の内容は、座学から始まり、モックアップ(実物大模型)やコマンド入力用のコンピュータを使った実習、より実践的なシミュレーション、最終評価試験という流れになっています。
座学は、各システムがどのような仕組みで宇宙ステーションの中で働いているのかについて、ざくっと大まかに理解します。学校の勉強のように細かな知識を暗記することは求められず、「ビッグ・ピクチャー」と言って、全体像を把握することのほうが重要視されます。
引き続いて行われる実習では、システムごとの機器についてバルブやスイッチの操作や、保守・点検、重要部品の交換による修理の手順について、実物と同じような模型を使って練習を繰り返します。
宇宙ステーションで使用されるほとんどの重要機器は、ORU(On-orbit Replacable Unit)という形になっていて、ひとかたまりのコンポーネントを取り換えることで手軽に修理できるようなデザインになっています。
また、通常は地上の管制官がコマンドを打って宇宙ステーションの運行を行っていますが、緊急時に宇宙飛行士がラップトップ・コンピュータを使用して、同じように宇宙ステーションの制御ができるような練習も行います。
訓練の最終段階として、実物大の宇宙ステーションのモックアップ(模型)の中で、実際の作業に近い形でシミュレーションを行います。
宇宙ステーションでは、クルーの作業は「手順書(ODF=On-board Data Fileと言います)」に従って行います。最終的には、インストラクターのサポートなしに、手順書だけを頼りに、機器の修理や、コマンド入力によるシステムの制御が行えるようにならなくてはいけません。
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