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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙飛行士と健康:骨と筋肉の健康を守る

2017年10月20日

みなさんは、宇宙から帰還した宇宙飛行士が、自分の足ではフラフラしてきちんと歩けず、周囲の人に支えらているイメージがあるのではないでしょうか?

宇宙の無重力環境では、体の重さを支える必要がないので、老化現象を早送りするような感じで、骨や筋肉が急速に衰えていきます。その過程は、医学的な研究を行うには、とても興味深い現象ではありますが、そのせいで宇宙飛行士の健康が害されてしまったら、元も子もありません。
このため、宇宙飛行士は、宇宙に長期滞在している間は、毎日2時間の体力トレーニングが義務付けられています。

現在、国際宇宙ステーションには、ARED(Advanced Resistive Exercise Device)という運動マシーンが設置されています。このAREDは、ピストン式の真空シリンダーを使って、地上と同じようにウェイト・トレーニングができるという優れたトレーニング機器で、適切な栄養管理(食事指導)と、最適化された運動プロトコール(運動方法)を組み合わせることで、骨や筋肉を維持したまま、6ヶ月〜1年近くの長期宇宙滞在を行うことが可能となっています。

運動マシーンは、ウェイト・トレーニングのためのAREDだけではありません。心肺機能を維持するためのランニング・マシーンと、エクササイズ・バイク(自転車漕ぎマシーン)も設置されています。
ランニング・マシーンを使うには、上半身にハーネスを身につけ、ゴムひもの力で体を床面に押さえつけるようにして走ります。何だか走りづらい気もしますが、慣れると大丈夫なそうです。
エクササイズ・バイクは、ペダルの部分のみで、お尻を乗っけるサドルはありません。無重力なので、両手で軽く上半身を支えるくらいで良いのです。これも慣れないうちは一輪車を漕ぐような難しさがあると聞きますが、体力を維持する上ではとても効果的な運動マシーンです。
軌道上で行う作業の中でも、たとえば船外活動は6時間以上続くような重労働ですので、筋力だけでなく、心肺機能を含めた総合的な体力の維持がとても重要です。

ところで、こういった体力トレーニングで骨や筋肉を維持している今の宇宙飛行士ならば、宇宙から帰還した直後からスタスタ問題なく歩けるか・・・というと、そう簡単なわけではありません。
平衡感覚を担当する三半規管が無重力環境に慣れきってしまい、重力のある地上に戻ってもすぐには働いてくれないので、筋力や体力は十分に維持していても、フラフラしてまっすぐに歩くことはできません。
トレーナーの指導によるリハビリテーションで、重力のある環境で、どのように体を動かすかを思い出すための再訓練が必要です。



 
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