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2017年9月13日
宇宙飛行士の訓練で楽しいものの一つは、「ロボットアーム」の操作です。
全長17メートルもある超巨大なロボットアームを自在に操るのは、「これぞ宇宙飛行士の仕事!」という感じで、実にワクワクするものです。
・・・とはいっても、訓練では実物のロボットアームを動かすことはなく、コンピュータによる仮想シミュレーションでの練習。良くできたテレビゲームのようですが。
宇宙ステーションのロボットアームは、補給宇宙船で運んだ船外実験機器の設置や、システム機器の交換、今、注目の小型衛星の放出など、さまざまな用途で使用されますが、そのほとんどは地上の管制官によるリモート・コントロールです。
宇宙飛行士が操作をするのは、宇宙ステーションの窓から肉眼で状況を確認しつつ、安全管理を行う必要のある、補給宇宙船のキャプチャーと、宇宙飛行士の船外活動のサポートとなっています。
ロボットアームは、6つの関節を持ち、3次元的に自由自在に動かすことが可能です。
左右のハンドコントローラーで操作し、右のハンドコントローラーで姿勢制御(ピッチ、ロール、ヨーの回転を行います)、左のハンドコントローラーで前後・左右・上下の移動を行います。
ロボットアームの先端にはテレビカメラがついていますので、モニターを見ながら操作していると、まるでその先端部分に自分が搭乗して、飛行機のようにロボットアームを操縦するような感覚になります。このため、宇宙飛行士はロボットアームを操作することを、「アームを(飛行機のように)飛ばす」と表現します。
実際、油井飛行士や大西飛行士など、パイロット出身の宇宙飛行士は、ロボットアームの操作はとても上手です。
細かいことを言うと、宇宙ステーションのロボットアームの両端(先端と根本)は同じ機構になっていて、「尺取り虫」のように場所を移動することができるのですが、常に、一方の端は、宇宙ステーションの外壁のどこかに固定されています。(ちなみに「きぼう」のロボットアームもほぼ同じデザインですが、根本の部分は固定式で、移動はしません)
この「必ず宇宙ステーションのどこかに固定されている」というのが、ロボットアームの操作が飛行機とは異なるところです。下手な操作をすれば、ロボットアームを宇宙ステーションにぶつけてしまい、大変な惨事を引き起こしてしまう可能性があるのです。
宇宙ステーションの外側には、さまざまなアンテナや重要機器が付いていて、ゴチャゴチャ混み合っています。かなり注意しないと、すぐにロボットアームをぶつけてしまいます。
補給宇宙船のキャプチャーと、船外活動のサポートは、特に、素早い操作、事前に予定していない動き、カメラだけに頼らず目視による安全確認が必要とされるので、軌道上にいる宇宙飛行士しか行うことができないのです。
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