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2017年12月 4日
打上げまで、いよいよあと2週間(予定)となりました。
先週は、2日にわたる最終試験と、その翌日の評価委員会による答申、打上げに向けて出発するにあたってのさまざまな行事と、もりだくさんでした。
最終試験でも、ソユーズ宇宙船に関するものは、(1)打上げ・軌道投入、(2)ランデブー・ドッキング、(3)アンドッキング・着陸と、普通なら3回分のシミュレーション訓練を1日で実施するという濃密なものですが、内容はこれまでの訓練と変わることはありません。
われわれの場合は、途中でチームメンバーの入れ替えがあり、一緒に行う訓練の数が少なかったので、評価試験というよりは、チームワークの確認を行う貴重な訓練機会となりました。
ロシア区画に関する最終試験と合わせて、2日間にわたる最終試験の成績が評価委員会(コミッション)で審議されて、翌日(11/30)には、無事に、「ミッションに向けて、宇宙飛行士の準備は整っている」との答申をいただくことができました。
ここで、「やっぱり、最終試験の成績がダメなんで、宇宙には行かせません」という答申が出たことはありませんが、それでも、クルーとしてはホッと一息、安心した瞬間です。
試験の合格が発表されると、「ミッションに向かう宇宙飛行士」としての、さまざまな行事が始まります。
まずは、コミッションのあった、その場で行われる、メディアに対する記者会見。NASAやロシア宇宙局の広報関係者だけでなく、地元ロシアの新聞やテレビ局、在ロシアの日本の記者の皆さまなどに来ていただき、ロシア語・英語・日本語の飛び交う、とてもにぎやかで、かつ国際的な会見だったのが印象的でした。
記者会見が終わると、星の街の中にある博物館を見学するのが伝統です。
この博物館には、「ユーリ・ガガーリンの書斎」が、ガガーリン飛行士が執務を行っていたという往年のまま保存されており、宇宙に旅立つ宇宙飛行士は、ガガーリン飛行士のデスクで記帳を行うのがしきたりとなっています。
今回は、ちょっと残念なことに、博物館の補修工事の最中で、「ガガーリンの書斎」が閉鎖中。でも、記帳を行う台帳とテーブルを、博物館の展示室の中に設置していただいていましたので、きちんと署名を済ませてくることができました。
引き続いて、その日の夕方から、モスクワの赤の広場で、献花を行うセレモニーです。
ロシアの宇宙開発の父といわれるセルゲイ・コリョロフや、ユーリ・ガガーリン宇宙飛行士など、単にロシア・旧ソビエト連邦の宇宙開発というだけではなく、人類としての宇宙開発に献身した人たちを称えるモニュメントに、国際宇宙ステーションに滞在を行う各国の宇宙飛行士が敬意を表するというのは素晴らしい伝統だと、改めて感じる訪問でした。
同時に、われわれの行っている事業が、単に日本の、あるいは国際宇宙ステーション計画に参画している国々だけのものではなく、人類の宇宙開発の歴史の中の一歩であるという考えを確認する良い機会でもありました。
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