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2018年8月27日
ミッション後の技術的な報告を行う「デブリーフィング」や、重力環境下に体を慣らすための「リハビリテーション」が終了しましたが、かといってミッション予定のない宇宙飛行士が行う地上業務がまだ始まっていないので、今はちょうど、仕事の山と山の合間の期間です。せっかく余裕があるので、地元・ヒューストンの友だちに会ったりしています。
2009年の9月に宇宙飛行士候補者として採用されて、すぐにヒューストン勤務となり、まるまる9年も住んでいることになりますが、わたしだけでなく、第一世代の毛利・向井・土井宇宙飛行士の頃から、日本人宇宙飛行士がずっとお世話になっている、まさにホームタウンです。
米国テキサス州の南東、メキシコ湾にもほど近いヒューストン市は、日本ではあまりなじみが薄いかもしれませんが、米国内でも有数の大都市です。NASAの宇宙センターの一つ、「ジョンソン宇宙センター」があることから、「スペース・シティ」の異名もあり、宇宙航空関連、あるいはハイテク分野の産業も有名ですが、エネルギー産業、特に石油や天然ガスの産業が盛んで、日本企業も多く進出しています。
われわれJAXAも、NASAとの調整のためにヒューストン駐在事務所があり、ヒューストン日本商工会に加盟しています。
各企業の駐在員などのお子さんが通う「ヒューストン日本語補習校」には、いつも応援をいただいています。
ミッションの直前には、国際宇宙ステーションや日本実験棟「きぼう」で行っている、さまざまな宇宙実験の紹介をする講演をさせていただき、「がんばってきてー!」と温かい声援で送り出してもらいました。
つい先週は、無事にミッションを終えたので、「ミッション報告会」をして帰還のご挨拶をすることができました。
(写真は、日本語補習校卒業生のブローガン・アレックス氏の作品)
またヒューストンは、全米でも有名なメディカルセンターがあり、日本から多くの留学生や研究者が訪れています。
わたし自身がもともと医者だったこともあり、定期的な交流会にお邪魔したり、親しくなった先生たちとお付き合いさせていただいていますが、自分の専門外の分野での最新の研究の話題を教えてもらったり、いつも大きな刺激をいただきます。
地元ヒューストンの日本人会は、2年とか3年とか、期間を定めてやってくる駐在員や留学生というよりは、ヒューストンを生活の拠点としている日本人や日系人の集まりです。
イベントや交流会に行くと、「訓練は順調ですか?」といつも気にかけていただいたり、長く住んでいる方からは、「以前、向井先生が、ヒューストンの大学で勉強していたときに・・・」と、先輩宇宙飛行士の思わぬ裏話をお聞きすることができたり、面倒を見ていただいています。
宇宙飛行ミッションを終えて、改めて思い返してみると、こういった地元のみなさんの応援があってこそ、しっかりとした訓練や準備をして、ミッションに臨むことができるのだと感じます。
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