このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙からの帰還

2017年9月 5日

9月3日(日)に、国際宇宙ステーションでのミッションを終えた3人の宇宙飛行士を乗せて、ソユーズ宇宙船が無事にカザフスタン共和国の草原に帰還を果たしましたね。

打上げや、ランデブー&ドッキングと同じく、ソユーズ宇宙船の帰還も、コンピュータによる自動制御で行われています。事前に計画された着陸エリアに帰還するためには、周回軌道上の、どのタイミングで、エンジンをどのくらい噴射すれば良いか、事前に計算されたデータがコンピュータに入力されるのです。
宇宙飛行士の仕事は、基本的には、このデータをもとに、すべての自動制御シークエンスが予定通り、間違いなく実行されるのを確認することです。
もちろん、宇宙船に何らかの異常があった場合には、宇宙飛行士が手動で操作を行って帰還することも可能です。

軌道を離脱して大気圏に突入するためには、船尾についている主エンジンを進行方向に向けて(つまり、前後180°逆方向に宇宙船の姿勢を変えて)、スピードを落とすような噴射を行います。この「脱軌道噴射」により、宇宙船は高度を落として地上へと降下を開始します。
もちろん、コンピュータに頼らずとも、エンジン噴射のタイミングと時間さえ分かっていれば、宇宙飛行士は手動で姿勢を制御して、エンジンの噴射ボタンをオン・オフするだけで、予定着陸地点に戻ることが可能です。

ソユーズ宇宙船は、みたらし団子のように、3つの区画(コンパートメント)に分かれていますが、地上に帰還するのは、真ん中の「帰還モジュール」の部分のみです。それ以外の部分は、大気圏突入前に分離して、燃え尽きてしまいます。
「帰還モジュール」が大気圏で燃えずに地上まで戻ってくることができるのは、円錐型のカプセルの底の部分についているヒートシールドのおかげです。ソユーズ宇宙船には左右の座席の脇に窓がついており、バチバチと火花が飛び散る光景は、恐ろしくも美しい光景だと聞きます。

高度5.5kmくらいまで降下した「帰還モジュール」は、不要となったヒートシールドを切り離し捨てた後、パラシュートを開きます。宇宙飛行士を乗せたカプセルがフワフワ揺られながら、優雅にゆっくり着地するようなイメージがあるかもしれませんが、着地の際の衝撃はかなりのもので、「交通事故でクラッシュした感じ」と良く言われています。
宇宙飛行士の安全を守るため、パラシュートも予備のものが備え付けられています。また、「帰還モジュール」の底の部分(もともとヒートシールドに覆われていますが、これが切り離されることで表に現れます)には、「ソフト・ランディング・システム」という小さなエンジンがあり、着陸のタイミングに合わせて逆噴射をかけることで、着陸時の衝撃を和らげるようになっています。さらに、上記のシステムがうまく作動しない場合でも、着陸前に宇宙飛行士が座っている座席が持ち上がり、想定以上の衝撃が掛かると座席部分が沈んで衝撃を逃すような仕組みとなっています。

何重にも安全のための対策が取られていて、宇宙飛行士の視点から、とても安心な宇宙船です。



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約